ご存じの通り、IKEAは安価でありながらファッショナブルな家具・雑貨を多く取り揃えている。6月5日現在、国内の既存店は10店舗で、その店舗の多くは郊外にある。普段から通えるのはほんの一部のユーザーであるにもかかわらず、IKEAに関する情報が頻繁に耳に入ってくるのは、ファンが多い証拠といえるだろう。
しかし、近頃の業績は芳しくないようで、1月にIKEAが発表した決算公告によると、売上高は844億7600万円で前期と変わらぬ数字を保っているものの、純利益はマイナス8億8500万円と、依然として赤字が続いている。そんな状況を打破するためか、今春からは新宿に店舗を構え、冬には渋谷にオープン予定など、最近は都心への進出を図っている。今後のIKEAの動向に注目だ。
基本的には優良な商品を取りそろえているIKEAだが、なかには低価格であるがゆえに、クオリティがなおざりになっているものもあるようだ。そこで今回は、「この夏、買ってはいけないIKEA商品」を「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が独自にリサーチし、4つピックアップした。あくまで調査班の独断ではあるが、買い物の際に参考にしていただければ幸いである。
LEDARE レーダレ LED電球 GU10 400ルーメン/999円(税込、以下同)
IKEAには照明や電飾も充実しており、同じく電球の品揃えも豊富だ。なかにはユーザーから高い評価を得ている商品も多い。しかし、公式ECサイトで23件のレビューがついている「LEDARE レーダレLED電球 GU10 400ルーメン」は、5段階評価で2.5という低評価にとどまっている。
レビュー欄を覗いてみると、同商品はLED電球であるにもかかわらず、非常に短命なのだそうだ。LEDといえば「交換なしで10年長持ち」との謳い文句の商品も多く、長寿命であることが特徴のひとつだが、この商品を購入した多くのユーザーは1年以内に点滅し始めて交換する羽目になったと訴えている。
税込で1000円を切る価格設定は魅力的ではあるが、長い目で見ると電球に特化したメーカーの製品に頼ったほうが、コスパの面ではベターかもしれない。
LOPPLÅDA ロップローダ ウォールクロック/1999円
IKEAの壁掛け時計は、2000円前後で購入できる商品も多い。そのうえ、どれもクールなデザインなので、店頭では目移りしてしまうことだろう。
しかし、壁掛け時計のラインナップのなかには、なぜか著しく評価が低い商品がある。「LOPPLÅDA ロップローダ ウォールクロック」がそれだ。爽やかなライトグリーンがベースで、洗練された印象のデザイン性が優れた時計だが、「すぐに動かなくなってしまった」というユーザーの声が後を絶たないのである。
レビューを読むと、その寿命にはバラつきはあるものの「2週間目で」「2日持たずに」「1時間もしないうちに」など、一般的な掛け時計とは比にならないほどの短さであることがわかる。IKEAで壁掛け時計を購入する際は、別の評価の高い商品を選んだほうがいいだろう。
BRANÄS ブラネース バスケット/1999円
収納用のバスケットは、部屋に散らかった荷物を放り込んでおけるため、ズボラな方にとっても便利なアイテム。だが、バスケットを選ぶときに「BRANÄS ブラネース バスケット」を選択肢に入れるのは避けたほうが無難かもしれない。
この商品は、天然の籐を手編みしてつくられたバスケット。一つひとつに違った表情がある点が魅力で、カラーは木の色を生かした明るめのブラウンとホワイトの2種類があり、置き場所に合わせて選ぶことができる。また、持ち手もついているため、出し入れや持ち運びがしやすいのだ。
一見するとメリットばかりに思えるが、天然素材を使用しているがゆえに、一部トゲが立っているものもあり、実際に表面を触るとチクチクとトゲが刺さる感覚を覚えるのだ。勢いよく触ってしまうと、怪我をする恐れもある。わずかながらでも怪我の危険性が潜んでいるとなると、さすがに買ってはいけない商品と言っていいのではないだろうか。
PROPPMÄTT プロップメット まな板/999円
便利なキッチン用品も充実しているIKEAだが、実はそのなかでもまな板は鬼門といえるアイテムで、当サイトの記事でも過去に2度ほど「買ってはいけない商品」として取り上げている。今回紹介する「PROPPMÄTT プロップメットまな板」も、賛否がパックリと別れているアイテムだ。
この商品はゴムノキを原材料とした、重厚感のある素敵なまな板なのだが、何よりも手入れに手間がかかるという欠点がある。初めて使用する際には、まず防湿性を強化するために植物性のオイルを塗り、24時間たったらまた同じ作業を繰り返すという、2度塗りをする必要があるのだ。
また、少しトゲが立っていることもあるので、その場合は中細のサンドペーパーで軽くやすりをかける必要がある。この手入れを億劫に感じて不満を漏らすユーザーもいるが、逆にそれらの天然素材を用いているからこその不便さが気にならない方は、低価格ぶりを高評価している。つまりは万人受けこそしないが、通にとってはお買い得な商品といえるだろう。
多くのユーザーの声を読んだうえで統括すると、やはり一部の電気製品を中心に評価が芳しくないようだ。IKEAは、家具と雑貨に強みがある。その強みを念頭に置いたうえで購入する商品を選べば、失敗は避けられるはずだ。本シリーズではIKEAの“買うべき商品”も紹介しているので、ぜひ併せてチェックしていただきたい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)