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マックフライポテト、なぜ調理後「7分」で廃棄?アクリルアミドの発がん性に警鐘も

文=深笛義也/ライター
マックフライポテト、なぜ調理後「7分」で廃棄?アクリルアミドの発がん性に警鐘もの画像1
マックフライポテト(「Wikipedia」より)

 マクドナルドで人気のマックフライポテト。揚げあがり後の7分の間に売れなければ、廃棄処分となるといわれている。その真偽を日本マクドナルド広報部に尋ねると、答えが返ってきた。

「お客様にお召し上がりいただくマックフライポテトのおいしさ基準として、7分という時間を設けております。ご注文いただく数を予測して調理し、いつでもおいしいマックフライポテトをお召し上がりいただけますよう、努めております」

 調理後7分後に廃棄するという話は、真実だったのだ。コロナ禍のまっただなかの今、店内よりは持ち帰って自宅で食べたほうがいいと考える人々も増えているだろう。テイクアウトする場合は、どのくらいの時間内で食べるべきなのだろうか。日本マクドナルド広報部の回答は、以下の通りである。

「お客様にはそれぞれご事情もおありかと存じますので、マクドナルドから具体的な時間を申し上げることはございませんが、ご提供後できるだけ早いうちにお召し上がりいただいた方がよりおいしくお召し上がりいただけます。温かいうちにお召し上がりいただければと存じます」

 マックフライポテトだけではなくフライドポテト一般には、国際がん研究機関(IARC)によって発がん性が指摘されている、アクリルアミドが含まれている。これに警鐘を鳴らすのは、植物油研究家の林裕之氏である。

「ジャガイモに含まれるアスパラギンを120℃以上で熱すると、アクリルアミドはどうしても発生します。フライドポテトだけでなく、ポテトチップスにも含まれます。ジャガイモだから発生するので、たとえば豚肉を揚げる豚カツでは発生しません。ただジャガイモに関係なくても、高温で焙煎する、ほうじ茶にもアクリルアミドは含まれています。ジャガイモを揚げる時に、パーム油が使われていることが多いのですが、これも発がん性があるとか、糖尿病の原因になるのではないかと言われています。

 フライドポテトはレストランでも付け合わせによく出てくるので、食べ過ぎには注意が必要です。ジャガイモでも煮たのばかりを食べるとか、ふかしたものばかりを食べるという人は少ないと思いますが、フライドポテトを毎日食べるという人は多いようです。嬉しそうにフライドポテトを頬張ってる子どもたちとか、よく見かけますからね。

 フライドポテトというのは油を食べているといってもいいくらいで、油を食べると『幸せホルモン』とも呼ばれるセロトニンが分泌されるので、その点でも常習性になりがちです。売っているものだし、食べるなというのは無理でしょう。毎日食べている人は、1回でも減らすとか週1回にするとか、少しずつでも減らしていくしかないでしょう」

アクリルアミドの低減努力も

 アクリルアミドに関する、日本マクドナルド広報部の回答は、以下の通りである。調理後7分で廃棄というルールとの関連も訊いた。

「調理後の保管とアクリルアミドの生成との関連はありません。食品は調理や加工によって作られるのでアクリルアミドなどの化合物をゼロにすることはできませんが、マックフライポテト(フレンチフライポテト)の場合、その特徴である外はカリッとゴールデンブラウン、中はほくほくとしたベイクドポテトのような食感をつくる技術は、原料ジャガイモの保管方法などアクリルアミドの低減対策と共通していることがわかっています。また、国内で食品の安全性を評価する食品安全委員会は、バランスのよい食生活を送ることが、アクリルアミドを多く含む食品の摂取量も多くならず、食品全体から摂取されるアクリルアミドの量も抑えられるとしております。マクドナルドはマックフライポテトの品質管理とバランスのよい食生活の提案を通して、食品の加熱調理によって生じるアクリルアミドなどへの対策を行っています」

 マクドナルドとしても、アクリルアミドの低減に努めているようだ。そうだとしても、食べる回数を減らすに越したことはないだろう。

深笛義也/ライター

深笛義也/ライター

1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。10代後半から20代後半まで、現地に居住するなどして、成田空港反対闘争を支援。30代からライターになる。ノンフィクションも多数執筆している。

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