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ウーバーイーツ注文「女名義だと雑、男名義だと丁寧」説を検証…判明した意外な真相

取材・文=福永全体/A4studio
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 7月なかば、あるTwitter投稿が話題になった。

「UberEatsとか出前館で名前を女の子にしてるとデリバリーしてる人に舐められたり雑に運ばれたりする事例があるってTwitterで見たから試しに登録名を『鬼塚 剛拳』にしたらめちゃくちゃ丁寧に運ばれて来たので一人暮らしの女の子にオススメ」(原文ママ)

というものだ。このアイデアに賞賛が集まり、同ツイートは8月4日までに26.9万件の「いいね」を獲得している。

 女性でも男性名の偽名を使うというアイデアの是非はさておき、ウーバーイーツなどで“女性の名義で注文すると雑に運ばれてくる”というのが事実ならば、かなり問題があるのではないだろうか。そこで、今回は女性ライターの筆者が実際に女性名義と男性名義でウーバーイーツを複数回利用。本当に女性名義で注文すると雑に、男性名義で注文すると丁寧に運ばれてくるのかを検証してみた。

女性の名前で注文した結果――お世辞にも綺麗と言えないケースもあるが…

 ウーバーイーツでは、アカウント設定ページで簡単に名前を変更できる。登録しているクレジットカードの名義と、アカウント名が一致していなくても特に問題ないようだ。

 最初は女性のイメージが強い名前を“女性名義”として注文してみることに。今回は「優しそうな名前」「可愛らしい名前」で検索してヒットした姓・名を組み合わせた、筆者の本名とは一切関係がない「森田優奈」という名前で検証してみる。

 まず選んだ料理は「ローストビーフ丼」。具がたっぷり乗っている丼ものなら、届いた料理の様子で雑に運ばれてきたかどうかが一目でわかるだろう。

 注文を済ませて待っていると、その店舗のスタッフが自宅までローストビーフ丼を届けに来てくれた。ウーバーイーツで注文をすると、必ずウーバー専門の配達員が届けてくれるものと思い込んでいたが、その注文した店舗のスタッフが届けてくれるケースもあるようだ。受け取った丼は想像以上に温かく、出来上がってからさほど時間は経っていないことがわかる。

 フタを開けてみると、出た言葉は「う〜ん…」だった。お世辞にも綺麗と言えない。原因は中心に盛り付けられていた卵だろう。卵が中心から滑り落ち、白身が飛んでいることで全体の見栄えが悪くなってしまっているのだ。

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綺麗ではないけど…
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ごはんの中心に卵用のくぼみがあることからも、動いてしまったのだとわかる

 しかし、考えてみれば、半熟の卵を1ミリも動かさず綺麗に運ぶのは至難の業。それは男性名義で注文した場合も同じではないだろうか。卵以外は綺麗なままだったため、今回のケースは“半熟卵の乗った料理の宿命”として受け止めるのが妥当だろう。ちなみに味はとても美味しかった。

 次に、同じく「森田優奈」名義で「ピザ」を注文してみることに。ピザを選んだ理由は、7月23日に人気タレントのフワちゃんが「宅配ピザさすがにひどすぎて爆笑した」と写真付きでツイートしており、そのありさまを見て、女性名義でピザを頼むとどうなるのか気になったからだ。

 同じように注文を済ませて待っていると、今度はウーバーイーツの配達員が料理を運んできてくれた。玄関先で、配達員はリュックから慎重に商品を取り出し、水平を保ったまま丁寧に手渡してくれる。

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ほぼズレもなく、綺麗に運ばれてきた!

「これは大丈夫そうだ」と期待しながら箱を開けると、やはり綺麗な状態。ピザなら、箱のどちらかに中身が寄ってしまうことも十分に考えられるが、ほぼズレはなく整っている。出来たての美しさも維持されていたので、このピザは配達員の思いが反映された賜物なのだろうと感じた。

男性の名前で注文した結果――確かに、すべて綺麗な状態で運ばれてはきた

 では、ここからは“男性名義”で注文していこう。今回は検証のきっかけとなったツイートを参考にし、「強そうな名前」で検索してヒットした姓・名を組み合わせた「東郷剛」という名前を使うことにした。

 ということで、日を改めた後日、男性名義「東郷剛」で同じ「ピザ」を注文してみることに。

 結果、こちらも綺麗なまま運ばれてきた。今回の配達員は、前回の方ほど動作に気を配っていなかったようだが、やはり綺麗なままである。フワちゃんのツイート以外でも、ピザがぐちゃぐちゃな状態で運ばれてくるケースも多いと聞くが、やはり配達員の“当たり外れ”による部分が大きいのではないかと思う。

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ピザは今回も綺麗に運ばれていた

 続いて、「東郷剛」名義で「冷やし中華」を注文。冷やし中華も、ローストビーフ丼と同様に具材が多いため、雑に運ばれてきたかどうかがすぐにわかるだろう。

 今度もウーバーイーツの配達員が届けにきてくれた。動作にはさほど丁寧な印象はなかったが、こちらも料理は綺麗。というのも、これは店側の工夫が光っていたと感じる。

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スープと具材・麺が分かれている!
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自分で綺麗に盛り付けられた!

 実はこの冷やし中華、麺・具材・スープがそれぞれ別の容器に分かれていたのである。やはり、昨今は悪い情報がネットですぐに知れ渡ってしまうため、お店側も料理が汚くなることを未然に防ごうとしているのだろうか。手間は多少かかるが客としても気分がいいし、良い配慮に感じる。

検証結果からの結論――女性名かどうかは関係なく、配達員の“当たり外れ”?

 ここまでは女性名義で2回、男性名義で2回注文という検証をしたところ、少し汚いと感じたのは、女性名義で注文した「ローストビーフ丼」の1回のみ。それも少々のズレによるものなので、“女性名義で注文すると雑に運ばれてくる”と断言する材料としては非常に弱い。

 そこでもう一品、女性名義で注文してみることに。最後の品に選んだのは「天津飯」。ネット上の“丼ものはぐちゃっとなりやすい”との声を聞き、実際にどうなのか、検証してみよう。

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エビは落ちてるけど…十分に綺麗!

 結果…やはり綺麗だった。気になる箇所といえば、エビが1つ乗りきっていない点だが、この手の料理は中のご飯も飛び出してぐちゃぐちゃ……なんてことも十分にあり得たはず。そんな最悪の場合から逆算すると、届いた天津飯は“綺麗すぎる”ほどだろう。

 今回の一連の検証から結論を述べると、“女性名義の注文は雑に運ばれてくる場合もあるかもしれないが確率は低そう”、ということである。

 また、男性名義で注文した料理はすべて綺麗な状態で運ばれて来たが、それがたまたまだという可能性もあるだろう。結局のところ、女性だから舐められて雑に扱われるというわけではなく、配達員よる“当たり外れ”によるものではないかと感じた。

 ウーバーイーツなどの配達員たちにネガティブなイメージを持った人もいたかもしれないが、検証したところ、1品1品に責任を持って、丁寧に運んでくれる配達員がほとんどという印象。少なくても筆者は今回の検証で不快に感じたことはほぼなく、いずれの配達も、これからもウーバーイーツを利用したいと思える満足なクオリティであった。今回の検証を、ウーバーイーツなどのデリバリーサービスを利用する際の参考にしていただけると幸いである。

(取材・文=福永全体/A4studio)

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エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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