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居酒屋もカラオケも…続々登場する「テレワークプラン」は“使える”のか?コスパを体験

文=清談社

 コロナ禍で一気に浸透したテレワーク。「カラオケ館」や「パセラ」をはじめとするカラオケチェーン各社がテレワークプランを展開するほか、ホテルではテレワークに特化したデイユースプランや連泊プランを打ち出している。また、苦境にあえぐ居酒屋業界は「金の蔵」が一部店舗で昼間に有料でレンタルスペースの提供を始めるなど、新たな施策を打ち出している。

 従来のコワーキングスペースやカフェなどとは違う業態がテレワーク需要を取り込む動きは今後も続きそうだが、実際のところ仕事ははかどるのか。都内のカラオケ店と居酒屋のテレワークプランを利用し、コストパフォーマンスや使い勝手を検証してみた。

ビッグエコーは短期集中型?

 全国に約500店舗を展開する「ビッグエコー」では、予約不要のテレワークプランを打ち出している。1名60分あたり税込500円(延長30分250円)、6名以上1室で60分税込2500円という料金設定で、フリードリンクが付く。普通のカラオケとして利用すると、一般会員の30分料金は税込250円、1時間あたり税込500円となるが、1ドリンクオーダー制のため、フリードリンク付きのテレワークプランの方がお得な計算だ。

 今回訪れたのは、ビッグエコー渋谷宮益坂口駅前店。平日の正午前、受付時に店内に他の客は見られなかった。通常プランとの違いをスタッフに尋ねると、「カラオケ機材の電源をオフにさせていただくので、その分お安くなっています」とのこと。インカムで「○号室をテレワーク仕様に変更してください」と指示を出しているのが聞こえた。

 受付を終えると、伝票バインダーとおしぼりを渡され、行きがけにドリンクバーに寄り、ソフトドリンクをグラスに注ぐ。ホット、アイス、フロートとバラエティ豊かなのはうれしい。ちなみに、コロナ対策でドリンクバーにストローは置いておらず、希望すれば部屋に持ってきてくれる。

 室内に入ると、コの字型のソファが面積の大半を占める、かなりコンパクトなつくりだった。テーブル近くに自由に使えるコンセントが2つあり、テーブルから少し離れた壁にもコンセントが2つあったため、2名利用でも電源不足で困ることはなさそうだ。無料Wi-FiのIDとパスワードは伝票バインダーに明記されており、使い勝手がいいと感じた。

 また、カラオケならではのローテーブルはPC仕事には向かないのでは? というイメージを抱いていたが、ソファ自体も低く、座った時にテーブルが膝よりも上の高さに来るため、自然な姿勢でタイピングできた。

 しかし、本格的に仕事モードに入ろうとすると、落ち着かなさを感じるポイントがいくつかあった。壁にメタリックな装飾が施されており、照明を明るくするとギラギラ感が増してまぶしくなる。また、室内では芳香消臭剤と空調が稼働しているものの、扉を閉め切るため、やや閉塞感や圧迫感があった。

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 仕事には本来必要ないものだが、気分転換にカラオケができるかも……と期待していたので、カラオケができないのは残念だった。ただ、思ったよりもまわりの騒音は気にならず、完全個室なので集中しやすい。カラオケに興味がなく、短期集中で仕事をしたい人向けだろう。

ほぼ1日いられる北海道の格安プラン

 場所を変え、今度は居酒屋「北海道」の渋谷駅前店へ。北海道では、平日10~19時の最大9時間滞在できるテレワークプラン「オフィス北海道」を実施している。定価800~1000円前後の定食に、お替わり自由のソフトドリンクも付いて1500円という破格の設定だ。ちなみに、30分あたり200円でソフトドリンク付き・持ち込み自由のプランもあるが、9時間に換算すると3600円となる。4時間以上滞在するなら、昼食付き1500円のプランが断然お得だ。

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 ランチ時の店内は人がまばらで、落ち着いた雰囲気だった。特に何も告げずに入り口にいると、4人がけのボックス席に通された。一旦は着席したものの、座席に電源がなかったため、テレワークプラン利用と電源を使用したい旨を店員に伝え、テーブルを移動することに。

 移動先は6~8人がけの広々とした窓際の席だった。入り口と座席間には高いパーティションが設けられており、プライベートを守りつつも、天井が抜けているので開放感がある。座席は定員や目的別に複数のエリアに分かれているようで、最初に通された食事用途の少人数席のほか、大人数用の個室などもあった。食事席から雑談の声が漏れ聞こえてくるものの、気にならない程度。窓際の席の雑音も、時折PCのタイピング音が聞こえるぐらいでうるさく感じない。

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 プランに付いてくるボリュームたっぷりの定食をいただき、早速仕事に取りかかろうとしたところで、無料Wi-FiのIDとパスワードを聞きそびれたことに気づいた。テーブル周辺には掲示されていなかったため、レジまで行って掲示を確認するはめに。電源やWi-Fiについては、入店と同時に希望を伝えた方が良さそうだ。

 肝心の作業性についてはどうか。店内の照明は暗めだが、窓から自然光が入ってくるためPC画面がよく見える。難点を挙げるとすれば、コンセントが入り口付近に2つあるのみで、座席からやや離れているところだろう。入り口近くに座り、約120cmのコードを使用してギリギリ届いた。複数名で利用する際には、延長コードや電源タップを用意した方が安心だろう。

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 北海道のテレワークプランは、程よい環境音と開放感があり、オフィスに近い感覚で利用することができた。普段からまわりに人のいるオフィスやカフェなどの方が集中できるタイプの人なら、居酒屋の半個室は絶好の仕事場になるのではないだろうか。

 カラオケ、居酒屋ともにWi-Fiの通信環境は問題なく、喫煙ルームも完備されていた。自宅での作業性に不便を感じているテレワーク民は、試してみる価値ありだ。

(文=清談社)

清談社

清談社

せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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