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ダイドー×鬼滅の刃の缶コーヒーがバカ売れ…なぜ自販機限定ドリンクが増えているのか?

文=清談社
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ダイドーブレンド×鬼滅の刃 鬼滅缶で Wチャンス!!」より

 人気アニメ『鬼滅の刃』とダイドードリンコがコラボした缶コーヒーが発売され、爆発的な売れ行きを見せている。話題となっているのは「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」「絶品微糖」「絶品カフェオレ」の3商品で、デザインは合計28種類。このうち「絶品微糖」は自販機限定商品のため、希少性とアニメの人気が相乗効果を呼んで盛り上がっている形だ。累計販売本数は、すでに5000万本を突破しているという。

 一方で、実はここ数年、各飲料メーカーが自販機限定の商品に力を入れており、知る人ぞ知るブームとなっていることをご存知だろうか。自動販売機研究家として活動する野村誠氏は、自販機限定ドリンクが増えている理由をこう分析する。

「飲料の自販機の売り上げは、2000年頃をピークに下がり続けていました。そこで、各飲料メーカーは自販機でポイントが獲得できるなどのユニークな取り組みを始めたのです。その一環として自販機限定ドリンクが企画され、5年前くらいから多く出回るようになりました」(野村氏)

 自販機限定ドリンクは大きく宣伝されることが少ないため、たまたま見かけた人がSNSなどに情報をアップし、認知が広がっていく。その“最初のヒット作”となったのが、2015年に発売された「POPメロンソーダ」(サントリー)だ。

 メロンソーダは昔ながらの定番ドリンクでありながら、意外にもコンビニなどでペットボトル商品として見ることがない。それが自販機限定で味わえるということで話題となり、一時は売り切れも続出するほどのヒット商品となった。

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「この『POPメロンソーダ』のヒットで、各社が自販機専用商品に力を入れるようになりました。やはり、こんな商品が売ってるんだ、という意外性が重視されているようです」(同)

 中でも気を吐いていたのが、前述したコラボの「鬼滅缶」を生み出したダイドードリンコだ。

「ダイドードリンコは自販機での売り上げが大半を占めています。そのため、専用商品も多く開発されているだけでなく、自販機そのものもポイントがたまる機種や、最近は新型コロナ対策として手で触れなくても買える機種を開発するなど、並々ならぬ熱量を注いでいるのです」(同)

 そんなダイドーの自販機限定商品の代表が「ミスティオコーラ」だ。コーラといえば「コカ・コーラ」と「ペプシコーラ」という2大巨頭の存在があまりにも大きく、小売店などでも3番手以降は置いてすらもらえないというが、自販機なら別。この「ミスティオコーラ」は、いかにもコーラらしい、ちょっとなつかしめの甘さに加え、炭酸の強度を高めているので爽快感も十分。一度飲めばクセになると評判だ。

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あの人気ドリンクにも自販機限定商品が

 また、自販機専売品には、既存の人気ブランドの「スペシャルフレーバー」も数多い。いくつか紹介しよう。

●コクのある甘みが冴える「ファイア 贅沢デミタス」(キリン)

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 自販機で販売されている飲料の中でも、お茶や水に次いで好調な売り上げをキープしている缶コーヒー。「ファイア 贅沢デミタス」は2019年8月に自販機限定で発売されると、コクのある上質な甘さと香りで人気に火がついた。サービスエリアの自販機などで見かけることが多く、ドライブ中の友として欠かせないというファンも多い。

●桃の香りが鮮烈!「三ツ矢ピーチ ボトル缶」(アサヒ飲料)

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 不動の定番「三ツ矢サイダー」の自販機限定販売品は、まさかの「ピーチ」味。福島県産ピーチのエキスがふんだんに使われており、キャップを外して飲み口に顔に近づけるだけで濃厚なピーチの甘い香りが漂う。炭酸飲料では珍しい300mlのボトル缶で、ちょうど良い飲みきりサイズなのもうれしいポイントだ。自販機限定ドリンクの中では比較的見つけやすい商品なので、限定と思っていない人も多いかもしれない。

●ミントフレーバーが隠し味「午後の紅茶 リフレッシュオレンジティー」(キリン)

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 今年4月に自販機限定で発売された「午後の紅茶 リフレッシュオレンジティー」はミントフレーバーが隠し味となっており、ベタつきのないスッキリした後味が魅力だ。同じオレンジフレーバーで、コンビニなどで売っている「午後の紅茶 ザ・マイスターズ オレンジティー」に比べると、甘みが強めで味がしっかりしているため、こちらを飲んでしまうと「ザ・マイスターズ オレンジティー」が物足りなく感じるかもしれない。

●ヘビーユーザー続出「バヤリース あらごし食感オレンジ」(アサヒ飲料)

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“あらごし”というネーミングから想像できる通り、新鮮なオレンジを手で搾ったような粒感が魅力の「バヤリース あらごし食感オレンジ」。同様の商品が一般発売されていたが、最近は店舗では見かけなくなってしまった。そんな「あらごし」ファンの要望にこたえる1本で、オレンジの果肉がこれでもかというくらい詰まっており、飲み終える頃には非常に贅沢な気分を味わえる。

●苦手な人でも飲める「GREEN  DA・KA・RA すっきりしたトマト」(サントリー)

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 健康志向の人に人気の「GREEN  DA・KA・RA」のトマト飲料。いわゆるサラサラ系なので、ネット上では「トマトジュースは苦手だけどこれは飲める」といった声が多い。飲みやすい上に、1本にまるごと1個分のトマト果汁が使われているので栄養バランスも抜群だ。ランニングやウォーキングといったスポーツシーンに最適なので、自販機限定販売の利点を存分に活かした商品だと言えるだろう。

アサヒ飲料が専用自販機を開発した執念の商品も

 さて、野村さんオススメの自販機専用ドリンクは何だろうか。

アサヒ飲料の『氷点下の三ツ矢サイダー』はオススメです。今、自販機は全国に約250万台あるといわれていますが、そのうち約150台の専用機でしか購入することができません。シャリシャリとした独特な舌触りを実現するために常にマイナス5℃で冷やし続ける必要があるため、コンビニでの販売を撤回したという商品で、アサヒ飲料はマイナス5℃で冷やすことができる自販機を新たに開発し、販売にこぎつけました」(同)

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三ツ矢 氷点下の三ツ矢サイダー|三ツ矢サイダー|アサヒ飲料」より

 コンビニやスーパーがどこにでもあり、そこには清涼飲料水が常に安値で並んでいる。それと比較すると、自販機は「割高」に感じてしまうが、実は自販機にしかない出会いとトキメキがある。限定品を探して、わざわざ自販機を探し歩くというのも、いいものではないだろうか。

(文=清談社)

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せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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