6月20日、東京商工リサーチは『2017年3月期決算 上場企業「役員報酬1億円以上開示企業」調査』【※1】を発表した(以下、数字は6月20日17時時点)。
それによると、役員報酬1億円以上を受け取った役員の個別開示を行った上場企業は23社で、その人数は53人。2017年3月期決算の有価証券報告書は149社が提出しており、23社はそのうち15.4%にあたる。
1億円以上の役員報酬を受け取った53人のうち、16年3月期決算と17年3月期決算で連続して個別開示された役員は35人(66%)、新たに開示された役員は18人だった。
最高額は、ソニーのマイケル・リントン執行役EVP(エグゼクティブ・バイス・プレジデント)の11億3600万円。次いで、同社の平井一夫代表執行役社長兼CEO(最高経営責任者)の9億5500万円、同社の吉田憲一郎代表執行役副社長兼CFO(最高財務責任者)の4億3400万円が続く。
4位以下は東京エレクトロンの河合利樹代表取締役社長が4億3100万円、同社の常石哲男代表取締役会長が3億3900万円と続く。トップ10をソニーと東京エレクトロンの2社が占める構図だ。
ソニーの報酬1億円以上の役員の開示人数は、16年3月期の3人から10人と大きく増加している。個別の開示人数では、このソニーの10人が最多。次いで東京エレクトロン(9人)、バンダイナムコホールディングス(7人)が続く。この3社を含め、複数人の開示を行った企業は10社だ。
ちなみに、ソフトバンクグループの株主招集通知にて、ニケシュ・アローラ前副社長の17年3月期の報酬額が103億4600万円と公表されたが、有価証券報告書が確認されていないため、現時点ではランキングに含まれていないという。
トップ10はソニーと東京エレクトロンが独占
※以下、東京商工リサーチ『2017年3月期決算 上場企業「役員報酬1億円以上開示企業」調査』より
【2017年3月期 役員報酬額ランキング】(左から、順位、氏名、商号、報酬総額<百万円>)
1/マイケル・リントン/ソニー/1,136
2/平井一夫/ソニー/955
3/吉田憲一郎/ソニー/434
4/河合利樹/東京エレクトロン/431
5/常石哲男/東京エレクトロン/339
6/アンドリュー・ハウス/ソニー/331
7/佐々木貞夫/東京エレクトロン/328
8/堀哲朗/東京エレクトロン/326
9/東哲郎/東京エレクトロン/323
10/鈴木智行/ソニー/247
企業役員報酬の歴代トップ30を公開!
【歴代役員報酬額ランキング】(左から、順位、決算期、氏名、商号、報酬総額<百万円>)
1/2016年3月期/ニケシュ・アローラ/ソフトバンクグループ/6,478
2/2016年12月期/慎ジュンホ/LINE/5,740
3/2015年3月期/宮内義彦/オリックス/5,470
4/2016年12月期/ゲイリー・ガーフィールド/ブリヂストン/2,247
5/2016年2月期/ジョセフ・マイケル・デピント/セブン&アイ・ホールディングス/2,187
6/2015年3月期/毒島秀行/三共/2,176
7/2016年3月期/ロナルド・フィッシャー/ソフトバンクグループ/2,096
8/2017年2月期/ジョセフ・マイケル・デピント/セブン&アイ・ホールディングス/1,895
9/2015年3月期/ロナルド・フィッシャー/ソフトバンクグループ/1,791
10/2014年11月期/田邊耕二/ユーシン/1,405
11/2012年3月期/樫尾俊雄/カシオ計算機/1,333
12/2014年3月期/橋本浩/キョウデン/1,292
13/2014年3月期/樫尾和雄/カシオ計算機/1,233
14/2015年3月期/加藤精一/岡三証券グループ/1,200
15/2016年3月期/大西通義/アオイ電子/1,168
16/2017年3月期/マイケル・リントン/ソニー/1,136
17/2017年2月期/鈴木敏文/セブン&アイ・ホールディングス/1,132
18/2013年12月期/御手洗冨士夫/キヤノン/1,105
19/2016年11月期/大沢輝秀/オーエスジー/1,099
20/2014年3月期/樫尾幸雄/カシオ計算機/1,083/
21/2016年3月期/カルロス・ゴーン/日産自動車/1,071
22/2015年3月期/カルロス・ゴーン/日産自動車1,035
23/2014年3月期/フランク・モリッヒ/武田薬品工業/1,016
24/2014年3月期/カルロス・ゴーン/日産自動車/995
25/2013年3月期/カルロス・ゴーン/日産自動車/988
26/2012年3月期/カルロス・ゴーン/日産自動車/987
27/2011年3月期/カルロス・ゴーン/日産自動車/982
28/2017年3月期/平井一夫/ソニー/955
29/2015年3月期/岡田和生/ユニバーサルエンターテインメント/954
30/2016年3月期/岡田和生/ユニバーサルエンターテインメント/948
(文=編集部)
●取材協力/「東京商工リサーチ」