連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)は、東京五輪が開かれた1964年に茨城県から集団就職で上京した主人公・谷田部みね子の奮闘ぶりを描いている。
舞台となるのは、架空の村「奥茨城村」。稲刈りや聖火リレーのシーンなど60年代のふるさとを彷彿とさせる映像に郷愁を感じた方も多いだろう。『ひよっこ』では茨城県の常陸太田市、大子町、常陸大宮市、水戸市などがロケ地として使われた。
茨城県は映画やドラマ撮影関係者の間で、ロケ地として極めて人気が高い。ロケ誘致、撮影支援を行う「いばらきフィルムコミッション」(事務局:茨城県商工労働部観光物産課フィルムコミッション推進室)が設立された2002年以降の15年間に県内で撮影された映画、ドラマ、テレビCMの作品数は、5300超になるという。年間平均で350という、膨大な数だ。
どんな作品が制作されたのか。ほんの一部だが、作品名と主なロケ地を列記する。
【映画】
『図書館戦争』(東宝):水戸市の西部図書館、近代美術館
『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(松竹):常総市の橋本運動公園
『64(ロクヨン)』(東宝):下妻市の鬼怒川河川敷
『聖の青春』(KADOKAWA):小美玉市の小美玉市医療センター
『海賊とよばれた男』(東宝):笠間市の筑波海軍航空隊記念館
【ドラマ】
『天皇の料理番』(TBS系):常総市の坂野家住宅、大子町の旧上岡小学校
『初森ベマーズ』(テレビ東京系):つくば市のディアステージつくば
『リスクの神様』(フジテレビ系):小美玉市の小美玉市医療センター
『下町ロケット』(TBS系):つくば市のJAXA、(株)フジキン
『ど根性ガエル』(日本テレビ系):土浦市の匂橋、龍ケ崎市の旧長門小学校
ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した、北野武監督の『HANA-BI』(日本ヘラルド映画)のラストシーンは茨城県高萩市の赤浜海岸だった。同監督の作品は茨城でのロケが多いという。
「魅力度ランキング」最下位とロケ地人気のギャップ
茨城県というと、なんとも不名誉なランキングがある。毎年、ブランド総合研究所が発表する「地域ブランド調査」で13年から16年まで4年連続で「魅力度ランキング」最下位となってしまった。この調査は、全国の消費者を対象に地域の認知度や魅力度、イメージなど77項目を尋ね、その結果を数値化したものだ。16年のトップは北海道で点数は57.2点。一方、茨城県は7.7点で最下位。ちなみに45位は群馬県で8.5点、46位は栃木県で7.8点だった。