7月4日、2017年のミス・ユニバース日本代表(ミス・ユニバース・ジャパン/MUJ)を決める選考会(ミス・ユニバース日本大会)が開催された。47人のファイナリストの頂点に輝いたのは、千葉県代表の阿部桃子だ。阿部はMUJに選ばれた際、テレビリポーターで俳優の阿部祐二の娘であることが報じられて話題となったが、これからミス・ユニバース世界大会に向けて、より一層の輝きを増し、注目が高まるだろう。
MUJの一挙手一投足が世間に与える影響は大きい。過去のMUJを見ても、大和撫子としての奥ゆかしさや芯の強さなど、日本人女性の魅力を世界に認めさせてきた。その結果、日本の文化やファッション、コスメなども海外から注目され、経済効果も大きいといわれる。
今回、ミス・ユニバース日本大会を運営する一般社団法人ミス・ユニバース・ジャパンおよび株式会社HDRの担当者である竹國和紀氏とMUJの阿部に、話を聞いた。
MUJの歴史
MUJは、1952年当初より世界大会に参加している。
「弊社は、MUJにまったく新しいミス・コンテストのコンセプトを持ち込み、日本女性の素晴らしさを世にアピールすべく活動しています。また、乳がん早期発見・予防促進活動、エイズストップ基金などを通じて、社会奉仕活動へ参加するなど、外面的な美しさだけでなく、知性、感性、誠実さ、人間性といった内面の輝き、社会に積極的に貢献したいという社会性を兼ね備えた“オピニオンリーダー”の創造・サポートをコンセプトにしています。いわば、日本の若い女性達の人生におけるプラットフォーム(=きっかけ)を与えることをひとつの目的としています。MUJは1年を通したイベントとして成長し、今や日本の若い女性の間においても、もっとも価値のあるタイトルとして認識されています」(竹國氏)
これまで、ミス・ユニバース世界大会で優勝した日本人は、児島明子(1959年)と森理世(2007年)の2人だ。筆者の主観だが、2人のミス・ユニバース世界大会優勝者を比較してみると、時代の社会的変化に伴いミス・ユニバースに求められる女性像やリーダー像も変化しているように感じる。
そう考えると、2017年MUJの阿部は、まさに時代が求める女性像といえるだろう。彼女の日本大会でのスピーチから、彼女が聡明で愛情深い女性であることがうかがえる。4月にカンボジアを訪れ、HIVの現状を知った彼女の志のひとつが「人々の心に寄り添い、正しい知識を発信することでHIVに苦しむ人々を減らす」ことだという。海外に限らず日本でもHIVの感染者は増加傾向にあるが、HIVの正しい知識については十分に啓蒙されているとはいえない。彼女がHIVについて問題提起し、国内での認識を変えてくれることに期待したい。