3人目の日本人優勝者誕生に期待
阿部が世界大会で優勝すれば、3人目の日本人優勝者の誕生となる。期待が高まるところだが、運営サイドは意外にも冷静だ。
「出場応募者のなかには、2007年世界大会優勝者の森理世さんに憧れて応募したという方が今でも多くいらっしゃいます。世界的に活躍する女性のひとつのロールモデルとして広く紹介されることになりますので、これからの世代の方に大きなインパクトになると思います」(竹國氏)
同様に、阿部も日本代表になったことで浮かれる様子は微塵もなく、次のステージや、自分の目指すべき道に向かってブレずに進んでいる。
「私は世界大会で優勝することではなく、常にその後に私にできる社会貢献活動を考えています。そのため、世界大会では支えてくださるすべての方々に感謝して、自分を信じ、自分らしく輝けると思っています。そのために、一分一秒も無駄にしないように邁進していきます」(阿部)
これまでも、MUJをきっかけに活躍の場を広げた出場者も多い。そして今後も、MUJへの挑戦が女性にとってチャンスの場となる一面もあるだろう。
「ミス・ユニバース日本大会は、最終的には日本代表を選考するイベントですが、それがすべてではありません。オピニオンリーダーとして必要なものは何かを考え、行動により自信を深め、今後輝いていくためのきっかけとなるようにサポートをすることを目的のひとつにしています。コンペティションの結果とは別に、得るものがあると思いますので、ぜひ思い切って挑戦してみてください」(竹國氏)
最後に無粋な質問ではあるが、阿部に、阿部祐二リポーターを父に持っていることについてどう思うか聞いてみた。
「特にどうも思わないです。両親の深い愛情、そして私を信じてここまで育ててくれたことに感謝しています」
阿部リポーターが大事に育てた愛娘と聞くだけで応援したい気持ちになるのは筆者だけではないだろう。世界大会での阿部の麗しい勇姿を見るのが楽しみである。
(構成=道明寺美清)