ファイナリストたちの意識の高さに驚き
阿部がミス・ユニバースにエントリーしたきっかけについて質問すると、このように答えた。
「高校生のボランティア活動で老人ホームにうかがった際、ひとりの女性が私に『あなたの笑顔で幸せな気持ちになった』と言ってくださいました。それから、自分の笑顔で世界中の方々に愛や希望を届けたいと思うようになったのが、ミス・ユニバースを目指そうと思ったきっかけです」(阿部)
また、日本大会では、阿部同様にファイナリストたちは奉仕の精神を持ち、社会貢献への意欲を語っており、その意識の高さに驚く。エントリー時点で、すべての女性がそのような考えを持っているのか疑問に思い、竹國氏に聞いてみた。
「もともと社会貢献活動に積極的に従事していた方が、その手段のひとつとしてミス・ユニバースを目指す場合もあれば、選考の過程や実際のチャリティ活動に参加することで興味を持つ方もいらっしゃいます。事務局としては、過去に何をやってきたかばかりではなく、今後も継続して何をしたいか、何ができるかを考えるきっかけになればと考えています」(竹國氏)
大会期間中に、ファイナリストたちはボランティア活動をすることが恒例となっており、その点も日本大会のスピーチでアピールする点となる。
「地方大会で代表が決まってから日本大会までの期間に、各県代表が一堂に会する機会を用意しています。そのときに、グループで話し合って企画提案してもらいます。単に、できることをやるというだけではなく、その結果や効率、また自分たちの強みをどう生かせるかを意識して考えてもらっています」(同)
大会期間中、ファイナリストたちはボランティア活動のほか、さまざまなトレーニングを行う。特に日本大会を前に行われる2週間のビューティキャンプでは、多くのスキルを学ぶ。阿部はビューティキャンプを振り返り、こう話す。
「大会期間中、私は自分に自信がありませんでした。しかし、ビューティキャンプ中に、9時から19時までの講義を終えた後、毎晩2時間の自主練習をしていた努力が、自分に自信を与えてくれました。そしてもうひとつ、ステージの前方からの声援もありましたが、45人のファイナリストの仲間たちからの声援というのがとても心に残りました。勝敗が決まってしまう厳しい現実のなかでも、相手を思いやる言葉をかけてあげられる彼女たちは心から美しいと思える、真の美しい女性たちだと思います」(阿部)