多種多様な商品を揃えているだけでなく、夜遅くまで営業していて便利なコンビニエンスストア。特に飲食店が営業時間短縮を強いられていた緊急事態宣言下では、コンビニで夕食を購入する方も多いのではないだろうか。
そんなコンビニチェーンの最大手セブン-イレブンの商品について、大きな話題になっているのが、”パッケージ詐欺”だ。「パッケージの上部をドリンクと同じ色に着色して容量を多く見せている」「弁当が二重底になっている」といった悪評が、インターネット上にはたびたび流れている。
そこで気になるのが、セブン以外の大手コンビニチェーンの商品と比べて、どう違うのかということだ。はたしてほかのコンビニチェーンでは、内容量のごまかしは行われていないのだろうか。
今回はセブンの商品の中でも特に”詐欺商品”と噂されるおにぎり、パスタ、パン、サンドイッチをピックアップ。セブンとファミリーマート、ローソンの商品を比較検証していく。
おにぎり:塩おにぎりの中身は空洞?3社比較で見えた事実
まず検証していくのは、コンビニの定番商品であるおにぎり。セブンの塩おにぎりは、中身が空洞になっていると取り沙汰されているのだ。
それでは、3社の塩おにぎりを半分にカットして検証していこう。
最初に割ったのはセブンのおにぎり。中身を割ってみると、確かに縦長で浅めの空洞が見受けられた。決して大きいスペースではないのだが、裏切られた気持ちになるのも理解できる。
続いてファミマ、ローソンのおにぎりを割ってみると、なんとこちらにも空洞が。左右でどちらも同程度の空洞があったセブンと異なり、こちらは左半分と右半分で大きさに違いがあるのが特徴的だ。
3社すべての塩おにぎりに空洞があったことを鑑みると、いずれも中身に具材が入るおにぎりと同じ機械でつくっているために空洞ができてしまうのではないかと推測できる。内部に空洞をつくることで米の美味しさが引き立つなどの効果があるのかどうかは、定かではない。
パスタ:上げ底でかさ増ししている?3社の容器比較
2つ目の比較商品はパスタ。こちらはSNSなどで、セブンのパスタ容器が上げ底になっていると指摘されている。今回は各社から発売されている同価格帯のミートソースパスタで比べてみた。
容器の形状はセブンとローソンは円形で、ファミマのみ四角形となっている。
真横から見てみると、フチの形状を大きく取ることで、真上からのサイズ感を演出していることがよくわかる。特にファミマの場合は極端だ。
いざ中身を見てみると、セブンは上げ底のような形となっていて、ファミマは底に行くにつれてキュッと絞られるような構造に、ローソンはゆるやかに狭くなって底が少し盛り上がっているという形状になっていた。
噂通りセブンのパスタ容器は上げ底になっていたものの、ファミマもローソンも真上や真横からの外見以上に内容量が少なくなる容器となっていた。パスタに関しては、3社ともに実際の容量以上にボリュームがあるように見せる仕掛けをしているといえるだろう。
パン:ジャムが半分しか塗られていない?疑惑の商品の真相
3つ目は、ジャムとマーガリンをサンドしたコッペパン。SNSで、「パンの半分ほどしかジャムが塗られていなかった」という投稿がされていた疑惑の商品を検証していく。
セブン、ファミマは一般的なコッペパンだが、ローソンのみパンの形状が異なる。では、問題の中身を見ていこう。
3社のパンをそれぞれ見ていくと、実際にはセブンのパンはファミマ、ローソンと比べてジャムが塗られている面積は大きかった。商品によって差が大きいのかもしれないが、少なくともセブンのパンの品質が著しく悪いというわけではないようである。
サンドイッチ:”ハリボテサンド”の実態
最後はおにぎり同様、コンビニでは定番の商品であるサンドイッチ。セブンのサンドイッチは具材が前面にだけ詰められていて、後ろのほうには入っていない”ハリボテサンド“だと評する声や、それを裏づけるような画像がたびたびSNS上では流れている。
セブンからは実際にSNSの投稿で”ハリボテサンド”として写真が上げられていた「たっぷりハムとたまごのサンド」を、ファミマとローソンからはセブン商品とそれぞれ食材と値段が近いサンドイッチを購入。まずはセブンのサンドイッチを見ていこう。
ハムが大きな1枚以外は前方に固まっているハムとレタスのサンドイッチはハリボテといえるかもしれないが、卵のサンドイッチはきっちり後ろにも卵が挟まっていた。商品によって量の差があるのかもしれないが、今回購入した商品は完全にハリボテというわけではないようだ。
ファミマに関しては、セブンの商品と違って大きめのハムが使われていないため、後ろのほうだと完全にハムがなくなってしまっている。スライスされたゆで卵が前方に固まっていることもあって、セブンよりも後ろが寂しく感じられてしまう。
ローソンはハムのボリュームはセブンとファミマの中間くらいで、卵のボリュームは少なめ。満遍なくハムが敷き詰められているものと片側に密集しているものがあったため、卵の量に関しても商品ごとの差が大きいのかもしれない。
3社のサンドイッチに共通していえることは、前のほうに具材を密集させている点は、大なり小なりどこのチェーンの商品でも行われているということだ。
おにぎり、パスタ、パン、サンドイッチの4品を比較検証してわかった通り、実はセブンの商品の問題点として挙げられている点は、ほかのコンビニチェーン商品でも見受けられる。なかにはセブンよりも、ほかのチェーンのほうがかさ増しして見えるような商品を販売しているケースもあった。
だが、今回は店舗での販売が確認できずに購入できなかったが、パッケージのイラストで容量や果肉を多く見せていたドリンクなど、セブンから悪質と思われるような商品が出ていたこともある。コンビニで食品や飲料を購入するときは、必ずしも見た目通りのボリュームとは限らないということを念頭に置くべきなのかもしれない。
(文=A4studio)