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ジャパネット・高田元社長、V・ファーレンJ1昇格導いた「優しすぎる」改革の舞台裏

文=森井隆二郎/A4studio

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)2部所属のV・ファーレン長崎(以下V・ファーレン)が、11月11日のカマタマーレ讃岐戦で勝利を収め、1部リーグ(J1)昇格を決めた。これは2005年のクラブ設立後初となる快挙で、サッカー界を賑わせている。

 しかし、同クラブがJ1に昇格するまでの道のりは、決して順風満帆なものではなかった。

 今年2月に約1億4000万円という多額の赤字決算が発表され、当時の経営陣が辞任。資金不足による3部リーグ降格もあり得るという状況で、前社長がクラブハウス内に開設した整骨院にて療養費の不適切な保険請求が疑われるなど、かつては暗いニュースばかりが影を落としていたのだ。

 そんな危機を救ったのが、通販大手のジャパネットホールディングス(以下、ジャパネット)。長崎県佐世保市に本社を置くジャパネットは、2009年からV・ファーレンのスポンサーとなっていたが、今年5月にクラブを完全子会社化したのである。

 クラブの代表取締役には、ジャパネット創業者の高田明氏が就任した。同社の経営は2015年から長男の旭人氏に引き継いでいるも、現役時代は自社通販番組のMCを務めるなど大活躍していた高田氏は、知名度も実績も充分。ジャパネットを一代で大企業に発展させた手腕はV・ファーレンの運営にも生かされ、まさに今回のJ1リーグ昇格の立役者だと評価されている。

 そこで、いかにしてV・ファーレンをクラブ再生へと導いたのか、高田明氏本人に話を聞いた。

サッカークラブ運営も目的はビジネスと一緒

 まず、高田氏がクラブの代表取締役に就任した経緯を改めて振り返ってもらった。

「今年の2月頃、今のジャパネット社長である長男から『V・ファーレンをどうにかしたい』と相談を受けました。私も『長崎からサッカークラブがなくなってしまうのは大変だ』と感じていましたし、クラブの経営を安定させるため、V・ファーレンをジャパネットグループに加えたのです。

 私はもともとスポーツを観ることが好きで、昔からV・ファーレンのホームゲームにも応援に行っていましたが、自分で実際にサッカーをしているわけではありません。ただ、社長に就任するときは『サッカーもビジネスもミッションは同じだから、できないことはない』と考えていました。

 スポーツとビジネスの共通の目的は、人々を元気で幸せにするということです。今の社会にはいろいろな問題がありますが、スポーツを観ている間、人はすごくハッピーな気分になれますよね」(高田氏)

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