スーパーマーケット「西友」のプライベートブランドとして1980年に産声を上げた「無印良品」。生活雑貨9品、食品31品の合計40アイテムからスタートした同ブランドだが、2020年時点で衣服・雑貨1854品、生活雑貨5340品、食品635品の合計7829アイテムと、膨大な商品数を誇っている。
そんな無印良品を運営する株式会社良品企画が発表した2021年8月期第1四半期決算短信を見てみると、2020年9~11月連結営業収益は1149億6000万円で、前年同期比46.0%プラスとなっている。国内事業の営業収益でも741億600万円で43.0%プラスという高い数字を記録し、コロナ禍の不況をものともしない好調ぶりを見せた。
そんな無印良品は、シンプルで品質に優れた商品が多く取り揃えられているが、なかにはおすすめできないようなアイテムも混ざっている。そこで「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は生活雑貨を中心に独自にリサーチし、「この春、買ってはいけない無印良品の商品5選」を独自にリストアップした。
デオドラントミスト 30mL/590円(税込、以下同)
冬が終わりを迎え、だんだんと汗ばむ季節へと変わるこの頃。体臭のケアに気を遣い、デオドラント商品を使用する場面が増えてくるだろう。「デオドラントミスト 30mL」は肌に直接噴霧することで有効成分が汗やニオイを抑え、配合されたパウダーの効果によって肌もサラサラになることが特徴とされている。
だがネット上の評価では、「デオドラントスプレーとしての効力が弱い」という不満の声が見受けられ、さらには「虫よけスプレーや湿布のような匂いがする」など、制汗スプレーにはあるまじき感想もあがっている。
実際に体に噴射してみると、指摘されていた通り、虫よけスプレーと湿布のような香りが漂ってくる。パウダーによるサラサラ効果も正直、あまり感じ取れない。汗やニオイを抑えてくれる効果はあるようだが、わかりやすく効力を実感したいという方にとってはしっくりこないアイテムかもしれない。
ヘアワックス・ハード 90g/990円
続いて取り上げるのは、「ヘアワックス・ハード 90g」。毛束感を出してしっかりした動きのある髪型に仕上げるのに適した、シトラス調の香りが特徴のクリームタイプのワックスで、合成香料やアルコールは一切使用されていない。
一般的な商品と比べ、やや値が張るにもかかわらず、「匂いが長持ちしない」といった声がある。ほかにも、「この値段ならサロン専用の整髪剤のほうが質が良い」など、 コストパフォーマンスについて厳しい意見が寄せられている。
試しに髪につけてみると、ヘアワックスの効果としては至って普通だが、髪によく馴染むわけでも、髪がまとまりやすいわけでもないため、これといった特徴はない。品質は決して悪くはないのだが、これが990円のコストに見合っているかと考えると、確かに疑問である。本品ならではの魅力も特段感じられないため、もっと安価な商品でも十分に代用可能に思える。
耐熱ガラスポット小 約670ml/1290円
3品目に紹介するのは、「耐熱ガラスポット小 約670ml」だ。120度まで耐える耐熱ガラス製で、ストレーナー(茶こし)を外すことができるので、大きめな茶葉の際はストレーナーを外し、細かい茶葉を入れるときはストレーナーをつけて使用できる利便性の高さが特徴。
だが、商品の性能については難点があるようで、「注ぐときにお湯が漏れる」「ストレーナーの目が粗くて茶葉がこぼれる」などと機能性にダメ出しする声が多く、さらには樹脂製のフタが壊れやすいという意見も上がっている。
実際に茶葉を入れて使ってみると確かにストレーナーの目が粗く、ポットの中に茶葉が入ってしまう。また。注ぎ終えると口の部分に茶葉がこびりついているのも気になる。茶葉が入るのが気になるという方は、別の商品を当たるべきだろう。
ポリプロピレン頭皮ケアブラシ 約7×9×3.5cm/690円
次に紹介する「ポリプロピレン頭皮ケアブラシ 約7×9×3.5cm」は、シャンプーの場面で使用する頭皮用のブラシだ。シャンプーで髪を泡立てた際にブラシを地肌に当てて小刻みに動かすと、頭皮の汚れを落とすとともに頭皮の血行を良くするという。
ところが、購入ユーザーからは不満の声も多く、その主な内容としては「ブラシ部分が頭皮まで届かず洗いにくい」「握りにくいので滑って落としやすい」などがある。サイズの小ささによる使用感の問題が指摘されているのである。
実際に使ってみると、小さくてあまり手にフィットする感じはしない。ブラシ部分もやや短いため、思い切りよく洗うことはできない。毛量が多い方やゴシゴシと洗髪したい方にはオススメできないアイテムといえるだろう。
お香・ゆずの香り 12本入・スティックタイプ/390円
最後に紹介するのは、「お香・ゆずの香り 12本入・スティックタイプ」。ゆずをイメージした柑橘の温かみのある香りがするスティックタイプのお香とされているのだが、肝心の香りについて不満の声が続出しているのだ。
使用者から寄せられている声としては「ゆずの香りがしない」「線香のにおいしかしない」などの厳しい意見が目立っている。また、「線香としてならありだが、お香ではない」「リラックス効果があるというより、渋い気持ちになった」といった痛烈な批判も少なくない。
購入して実際に本品に火をつけて焚いてみると、噂されていた通り線香の香りが漂ってきた。ただ、意識してみるとほんのり柑橘の匂いもしてきて、決して悪い香りではないので使っていくとこれはこれでいいのではないかと思える。
しかしながら、「ゆず」と銘打ちながら線香の香りがかなり強いため、「ゆずじゃないじゃん!」と言いたくなる気持ちも理解できる。柑橘系の香りに癒されたい方は避けるべきだろう。
基本的に無印良品は質の良い商品が多く、消費者からの信頼が厚いのだが、なかには今回紹介したようにもう一歩工夫が欲しいと思える商品もラインナップされている。とはいえ、あくまでも今回の選出は調査班の独断によるもの。購入に迷った際の参考程度に留めていただければ幸いだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2021年3月29日現在のものです。