ビジネスジャーナル > 企業ニュース > Live Shop!ヒット予兆?
NEW
山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

「Live Shop!」なぜヒットの予兆? ライブ配信「通販」スマホアプリがスゴイ

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

 ヒット商品と認められるためには、4つの要素が必要である。それは、「売れる」「新しい市場を創造」「追随商品が出る」「生活の変化を促す」だ。つまり、商品の売上がただ伸びるだけではヒット商品にはなれない。その商品で消費者の文化を変えなければならないのだ。その前提を踏まえて、2017年の「ヒット商品ベスト30」(「日経トレンディ」発表)に選ばれた商品の「ヒットの正体」を考察していこう。

17年のヒット商品

 1位はテレビゲームにもなり、持ち運んで携帯ゲームとしても使えるという斬新さを持つ「Nintendo Switch」。テレビが衰退していくなかで、ゲーム世代の「ゲームを取り外して外で遊びたい」というニーズに応えた。Switchによって、テレビがないと据え置き型のゲームはできないという文化は大きく変化した。

 2位の「明治 ザ・チョコレート」は「チョコはどれも同じでおもしろくない!」という潜在ニーズに応えた商品である。分類としては板チョコになるはずの同商品がここまで大ヒットしたのには、他の商品との徹底的な差別化にあるだろう。まず、板チョコの味の違い、カカオの違いを前面に押し出している。消費者はそれまで板チョコに味の違いを求めていなかったのではないだろうか。さらに今までにない縦長のパッケージ。板チョコとは思えない値段(一般的な板チョコの約2倍)。それらの高級感がコンビニで買えるちょっとおしゃれなチョコレートとして地位を確立しヒットしたのだろう。

 3位のクラウドファンディングは、アイディアをインターネットで公表することで、そのアイディアに賛同する人から資金を得ることができるサービスである。資金調達の面で、新商品を生み出す方法を大きく変えたサービスだ。「手軽にアイディアを商品化できない」という不満を解消し、ヒットしたのだろう。それぞれの商品が、今までの生活に変化をもたらし、新しい市場を創造している。

今年のヒット商品予想

 それでは、今年は何がはやるだろうか。これからの時代、新しい市場を創造するためにはスマートフォン(スマホ)は欠かせない。これを踏まえ、今年ヒットするものを予測していこう。

 まず、ライブ配信で通販を行う「Live Shop!」というアプリ。このアプリはインスタグラマーなどがネットライブで商品を宣伝し、視聴者が出演者とコメントでコミュニケーションを取りながら商品を購入することができる。このアプリの特徴はインスタグラマー自身が動画を撮りライブを放送するのではなく、プロの手によって作成される点だ。それによってハイクオリティな動画が公開されている。このスマホ時代の特徴をうまく使った双方向コミュニケーション式の通販は、「憧れの人のマネをしたい!」という潜在ニーズに応え、新しい市場を創造しヒットするのではないだろうか。

 そしてスマホを使ったカスタマイズに目を向けた「Optune」。これはスマホに連動し、自身に最適な化粧品を選ぶことができるシステムである。この商品は、アプリで自身の情報をインプットし、スマホで肌の測定を行ったり、紫外線・天気など色々な情報をクラウドで分析することによって、その人、その時に合わせたスキンケアができる。モノが溢れる現代で、「自分にぴったり合った商品を使いたい」というニーズに応え、ヒットするのではないだろうか。

 また、スマホによってコンビニの在り方も変化してきた。そのなかで特にコンビニの宅配サービスは今年流行するのではないだろうか。高齢化に伴い、「近くのコンビニに行くのもつらい」という声が増えてきている。お弁当や日用品を届けることによって、重い荷物を運ぶ必要もなくなるので、高齢者だけでなく若い女性にも人気のサービスである。24時間いつでも商品が届き、誰でも利用できるという点で今年流行するのではないだろうか。

 このように今年は、スマホを中心としヒット商品が生まれてくると思われる。売れ行き、新規性、影響力を満たしたどんな商品が生まれてくるのか注目だ。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

「Live Shop!」なぜヒットの予兆? ライブ配信「通販」スマホアプリがスゴイのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!