ダスキンは、同社が展開する「ミスタードーナツ」の2018年3月末の国内稼働店舗数が、1年前から74店少ない1086店だったと発表した。5年前と比べると、262店も減っている。不採算店舗の閉鎖が止まらない状況だ。
店舗数の減少に伴い、全国チェーン店売上高も減少が続いている。18年3月期は前年比4.7%減の779億円だった。5年前と比べると29.9%も減っている。売上高の減少も止まらない状況にある。
健康志向の高まりで高カロリーのドーナツを敬遠する消費者が増えたほか、コンビニエンスストアのドーナツやスイーツ、菓子などを手軽に買えるようになったことなどが影響し、ミスドは苦戦するようになった。
コンビニドーナツについて、「ミスドにとって脅威ではない」と主張する人がいる。セブン-イレブンが13年にレジ横で販売するカウンタードーナツを本格導入し、他チェーンも追随したことで「コンビニドーナツ」が大きく話題になったものの、カウンターコーヒーとのついで買いが定着せず、取り扱いをやめるチェーンも出るなどしていることが理由だ。確かに、コンビニドーナツは期待されたほど売れたわけではないが、パンコーナーでの販売も含めて、多くのコンビニでドーナツの販売は続いており、コンビニでドーナツを買う人は一定数存在する。そのため、コンビニがミスドの脅威にはならないとは言い切れない。
それを示すデータがある。「@nifty何でも調査団」が17年6月に行ったドーナツに関する調査によると、「ドーナツを買ったことがあるお店は?」という質問に対し、「ミスド」と答えた人は82.7%で回答率が1位だった一方、セブンが32.6%で4位にランクインし、ローソンが19.0%で6位、ファミリーマートが16.4%で7位と続いており、コンビニでドーナツを買う人が少なくないことがわかる。ミスドとコンビニドーナツは競合すると言っていい。