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ディズニーR、入園前にぐったり、年間パス使用不可日…値上げしても顧客満足度低下の惨状

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
ディズニーR、入園前にぐったり、年間パス使用不可日…値上げしても顧客満足度低下の惨状の画像1東京ディズニーランドの象徴・シンデレラ城

 東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドは6月14日、混雑緩和をひとつの目的とした東京ディズニーシー(TDS)の拡張計画を発表した。東京ディズニーランド(TDL)とTDSに隣接する駐車場を転用し、約10万平方メートルをテーマパークなどの用地に充て、約2割拡張するという。

 この計画には約2500億円を投じ、TDS内に8つ目となる新エリアを設け、ディズニー映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』をテーマにした計4つのアトラクション、複数の飲食・物販の施設、最上級ホテルを新設する。約3350億円を投じて2001年にTDSを開業した時に次ぐ大規模投資となる。22年度中の開業を目指す。

 TDRが直面している大きな問題に「顧客満足度の低下」がある。日本生産性本部サービス産業生産性協議会が3月に発表した「日本版顧客満足度指数」(17年度)において、TDRの「顧客満足」は36位と低調だった。16年度の27位から大きく後退している。かつてTDRは1位か2位を常にキープしていたが、近年は順位の低下が続いていた。

 顧客満足度低下の理由としてよく指摘されるのが「パークの混雑」だ。パーク内は来園客でごった返し、人気アトラクションともなると「2時間待ち」や「3時間待ち」など、長時間行列に並ぶのが当たり前となっている。少しでも多くのアトラクションを楽しもうと、パーク内を走り回る来園客が少なくない。繁忙期になると、入園前に自動車を駐車場に停めるだけで多くの時間を費やすことを余儀なくされる。そのため、多くの来園者はパークを去る頃にはぐったりしてしまう。こうしたことを嫌忌し、顧客満足度が低下しているのだ。

 そうしたなか、オリエンタルランドはパークを拡張することで混雑を緩和し、顧客満足度を高めたい考えだ。

 今回のパーク拡張は混雑緩和がひとつの目的だが、新規顧客の獲得を目指すほか、パークチケット料金の値上げに向けた布石とする狙いもある。

 TDRの来園者数は、13年度に年間3000万人を突破したものの、それ以降は頭打ちとなっている。これは、チケット料金の値上げが影響している。オリエンタルランドは入園者数の抑制と収益の向上を目的に16年まで3年連続でチケット料金を値上げした。大人1日券の価格は、14年4月の改定前は6200円だったが、3度の改定を経て16年4月以降は7400円になっている。だが、値上げは顧客満足度の低下につながるリスクをはらむ。そこで17年は値上げを見送っている。

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