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夕刊紙をナメるなよ。 東スポ、日刊ゲンダイ、夕刊フジは死なないぞ…その挑戦的戦略

文=小林拓矢/フリーライター
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夕刊紙をナメるなよ。 東スポ、日刊ゲンダイ、夕刊フジは死なないぞ…その挑戦的戦略の画像1新宿駅で購入した夕刊紙の版

 駅の売店などで販売される「夕刊フジ」「日刊ゲンダイ」「東京スポーツ」などの夕刊紙の販売体制に、変化が起こっていることに気づいている人はいるだろうか。印刷のタイミングによって異なる新聞の「版」(バージョン)が、減っているのである。
 
 夕刊紙の1面には、印刷の早いものから「A版」「B版」「C版」などと印字されているが、最近、これまで「AB統合版」「B版★」などが発行されてきた「日刊ゲンダイ」は、「AB統合版」だけになった。「夕刊フジ」も「AC統合版」というものができている。

2回に分けて運び込まれた夕刊紙

 東京都心エリアでは、駅売りの夕刊紙は一日2回に分けて駅売店に搬入されていた。午前11時すぎに早い版が売店に届き、午後2時頃に遅い版が届いていた。「夕刊フジ」では、10年ほど前は午後3時以降に最終版が届き、日経平均株価の終値が掲載されていた。その「夕刊フジ」も最終版が駅の売店に届くのが2時すぎになり、他の夕刊紙と同じくらいになっていた。そして今では「AC統合版」という版が1回、駅の売店に届くだけになってしまった。つまり、これまで一日2回に分けて駅売店に搬入されていた夕刊紙が、1回の搬入ですまされるようになってしまった。

 夕刊紙は、売れなくなったのか。それとも搬入の仕事をする作業員の人手不足なのか。ちなみに夕刊紙の駅売店への搬入は「人力」を使って行われている。確かに、1回にすれば人件費は削減できる。そしてなぜ、夕刊紙の「版」は減ることになったのか。

夕刊紙各社に聞いてみた

 まずは「夕刊フジ」。対応いただいた担当者は「公式ではなく私が思っているだけ」とした上で、版を減らした理由を「費用がかかるから」と言った。印刷の場合、部数が多少増えたり減ったりしても、それほどかかるお金に変化があるわけではない。むしろ製版にコストがかかる。版をひとつにすることによるコストの削減は大きく、物流にかかる費用も減らすことができる。

 一方で、ポジティブな理由で版を減らした夕刊紙もある。「日刊ゲンダイ」だ。スマートフォンなどの情報機器の普及により、「紙でニュース速報を行うことの限界を感じたため」とのことだ。「ニュース性よりも独自性を重視するようにした」という。なお「日刊ゲンダイ」は紙面をスマートフォンなどの画面で見ることができる月極サービスも行っている。

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