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夕刊紙をナメるなよ。 東スポ、日刊ゲンダイ、夕刊フジは死なないぞ…その挑戦的戦略

文=小林拓矢/フリーライター
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 確かに、「日刊ゲンダイ」が読まれているのは速報性があるからではなく、強い独自性を持った紙面づくりが読者に支持されているからである。とくに政権批判の論調については、支持する声も多い。紙面の版を替えて時事に対応するよりも、独自の視点を持ち、政治のあり方に対して確固たる意見を述べることに力を入れたほうが、読者も喜ぶだろう。

 縮小しつつも、状況に応じて版を使い分けているのが「東京スポーツ」である。発行元の東京スポーツ新聞社に問い合わせたところ、金曜日と土曜日は「A版」をやめたということである。中央競馬の出走馬の発表が「A版」の時間だと間に合わないからである。G1レースの出走馬が発表される木曜日は都心部駅売店向けに「C版」を出すという。それ以外の日は「A版」だけにしている。

変わる夕刊紙

 夕刊紙の部数が減っているという背景がありつつも、それだけではなく各紙何に力を入れるべきかを考え、コストのことも考えつつ適切に夕刊紙を供給しているということがわかった。また、速報性はネットにまかせ、各社紙面に何を載せるべきかも考えるようになった。

 合理化は必要であり、最小限の版数にしたいという各社の意向と、それに合わせた紙面づくり・印刷・発送の体制づくりができているということである。この販売体制の変化は思わぬ副産物を生む。以前は都心部の駅売店でなければ手に入らなかった夕刊紙の最終版が、版の体制が縮小することにより、早い版しか入荷しなかった郊外の駅売店やコンビニでも、たいていの場合、最終版が手に入るようになった。
(文=小林拓矢/フリーライター)

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