父娘対決で話題となった大塚家具が今、大きな岐路に立たされている。
8月14日に発表された大塚家具の2018年度第2四半期決算では、売上は前年同期比11.9%減の188億円、営業利益は35億円の赤字となった。通期でも51億円の営業赤字予測となっており、16年度は45億円、17年度は51億円の赤字と3期続けて営業赤字になる見通しとなっている。
しかも四半期財務諸表には「当社には継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しております」という監査法人からの「ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)」に関する注記が付された。ゴーイングコンサーンは03年3月期から上場企業に開示が義務づけられた制度。投資家にとっては、監査法人が認めた「危ない会社」、いわば「イエローカードを突きつけられた会社」という意味合いがあるといわれている。
「家具業界というのは上半期で稼ぐものだが、大塚家具の場合は厳しい決算が出て、さらにイメージが悪化している。通期では前期と同じ51億円の赤字の見通しだが、上半期が前年同期よりも悪い上に、イメージ悪化でさらに厳しい状況に陥るのではないか」(業界関係者)
苦しい資金繰り
なかでも問題となっているのが資金繰りだ。大塚家具の現金は6月末の段階で22億円、売却可能な投資有価証券が17億円、手元流動性は39億円。
「6月末に金融機関のコミットメントライン(50億円)を使って8億円を調達し、それを7月には返却している。7月にはさらに3億円の現金が入っているといわれている」(事情通)
大塚家具の場合、毎月4億円程度の現金が必要になるといわれ、7、8月分のキャッシュアウト分を差っ引いて、9月以降は単純計算すれば約6カ月分の資金しか手元にはないことになる。つまり来年の2月までしか資金がもたないということだ。
「なんとか3月の株主総会まではやっていくことができる計算になっているが、それ以降の見通しが立たないのではないだろうか」(事情通)
これに対して大塚家具は「銀行からのコミットメントライン50億円があるから資金繰りは心配ない」(大塚家具関係者)と説明する。