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規模縮小の中古車市場で売れているクルマとは?軽自動車&スーパーカー人気の裏側

構成=長井雄一朗/ライター
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トヨタ「RAV4(現行型)」(提供:カーセンサー)

 中古車情報メディア『カーセンサー』(企画・制作 株式会社リクルート)が発表した「カーセンサー中古車購入実態調査2020」によると、2020年の中古車市場規模は調査以来、初めての縮小となった。中古車市場の現状について、リクルート自動車総研所長兼カーセンサー編集長の西村泰宏氏に話を聞いた。

コロナ禍で軽自動車の人気が上昇

――中古車市場の規模は調査以来、初の縮小となりました。

西村泰宏氏(以下、西村) 2015年の調査以来、中古車市場は拡大傾向にありましたが、2020年の中古車購入総額は3兆4365億円で、前年より3133億円減少しました。1年間の中古車購入率は3.1%で前年比0.1ポイント減、中古車購入単価は135.5万円で同8.1万円減、中古車購入台数は253.6万台で同7.5万台減となっています。ただ、購入台数は前年比3%減ですから、コロナ禍で多くの業種が大打撃を受ける中、中古車市場への影響は比較的軽微といえそうです。

――中古車平均購入単価も下がりました。

西村 近年、新車検討層が中古車購入にスライドし、200万~400万円の価格帯が売れる傾向にありました。しかし、コロナ禍では100万円未満のクルマを早く購入したいという意向が強くなり、軽自動車の人気が高まっています。その結果、単価が下がったのではないかと分析しています。

――日常使いのニーズが高まっている点については。

西村 用途として「通勤・通学」(2.6ポイント上昇)、「家族の送迎用」(1.2ポイント上昇)が増え、逆に「レジャー用」は6.0ポイント下がりました。遠出を楽しむ状況ではなかったことで、近距離の移動に最適で、かつ経済的な軽自動車に人気が集まったのではないでしょうか。

――2020年、注目されたクルマはなんでしょうか。

西村 今回の調査では集計していませんが、カーセンサー内のデータではスポーツカーに対する熱量がすごく上がっているほか、キャンプ向けのクルマとしてはSUVがフォーカスされています。「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー 2020」では、トヨタ「RAV4(現行型)」がイヤーカーに輝きました。

――コロナ禍が収束すれば、より高いクルマが売れるようになるのでしょうか。

西村 今回の調査には反映されていませんが、超高級車の売れ行きは好調で、特に2000万~3000万円の俗に言うスーパーカーの動きは活発です。また、近年の「趣味としての中古車選び」というトレンドは確実に加速しており、個性や付加価値が付いた400万円以上の高価格帯のクルマも人気です。そうした傾向に加え、経済活動が徐々に活発化していく中で、中古車を含めた自動車市場も活況を取り戻していくのではないでしょうか。

(構成=長井雄一朗/ライター)

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