日本人が知らない、仮想通貨&ブロックチェーンめぐり今、世界で起きている事態
2018年11月5日付の日本経済新聞によると、仮想通貨の取引量が激減しているようだ。ビットコインの売買代金は、ピークだった17年12月~18年1月の5分の1程度の水準まで落ち込んでいる。
特に日本市場の落ち込みが凄まじい。若者を中心にある種のバブルに沸いた日本市場は、昨年末に5割を超えた取引全体に占める円建てのシェアは1割を下回るまで落ちている。円建ての売買代金はピークの25分の1の水準だ。
相次ぐ不正流出で仮想通貨交換会社の信頼は落ち、仮想通貨そのもののイメージもすっかり悪くなってしまった。今や仮想通貨は「怪しげで危ないもの」と思われている感さえある。
ブロックチェーンに大きな可能性
しかし、仮想通貨は決して怪しいものでも危ないものでもない。そこで使われているブロックチェーンという技術は画期的な技術だ。それは、インターネットの出現が社会に与えたのと同じくらいのインパクトを社会にもたらす可能性さえある。
インターネットも、最初はセキュリティーが不安だとか、通信速度が保証されていないだとか、商用には使えないだとか、要するに「よくわからないから危ない」というような扱いを受けた。それが今やインターネットなしの生活は想像できないくらい社会に浸透し、当たり前の存在になっている。ブロックチェーンの現在の扱われ方もインターネットが出現したときの扱われ方に似ている。そして、それなしでの生活は想像できないくらい当たり前の社会インフラになる可能性を秘めている点も同じだ。そして、おそらく本当にそういう存在になるだろう。
ブロックチェーンは「ネット上の分散台帳」といわれる。インターネット上に存在する一種のデータベースといってもいい。その特徴は、中央集権的な管理者がいない分散型ネットワークであることと、改ざんが極めて困難なことだ。
分散型ネットワークだから、システム全体がダウンすることがない“ゼロ・ダウンタイム・システム”である。中央集権的な管理者がいないから運用コストも低い。インターネットが従来の電話回線よりはるかに安いのと同じ理屈だ。手数料が高いうえに、中央のサーバーがダウンしたらお金をおろすこともできない銀行のシステムとは対照的である。
データ改ざんが事実上不可能なのは、過去のデータを継承しながら新たなデータをブロックとしてつなげていくところに秘密がある。改ざんに強いことは事実が証明している。ブロックチェーンを使った最初の仮想通貨がビットコインであるが、それが世に登場してから現在までの10年間、データが改ざんされたことは1度もない。