求人口コミサイト、米グラスドアを1300億円で買収
18年5月9日、求人関連の口コミサイトを運営する米グラスドア(カリフォルニア州)を12億ドル(約1300億円)で買収すると発表した。これにより、リクルートHDが10年以降に海外M&Aに投じた金額は計5800億円に達する。
グラスドアは07年設立。77万社を超える企業の口コミ情報を持つ。会社の従業員や面接を受けた人の口コミを集め、新たに仕事を探す人が参考にするサイトを運営。北米を中心に毎月5900万人が利用している。インディードと組み合せて、求職者や企業の希望に合った人材のマッチングにつなげたい考えだ。
グラスドアは設立以来赤字が続くにもかかわらず、リクルートHDが1300億円という巨費を投じて買収したのは、求人広告に押し寄せるデジタル化に対して強い危機感があるからだ。インディードは求人情報サイトとしては世界最大手だが、デジタル技術に長けた新興勢力の参入もあり、競争は激しい。
リクルートHDの19年3月期の売上収益は前期比5.9%増の2兆3020億円、EBITDAは同10.3%増の2850億円を見込んでいる。インディードが好調のほか、グラスドアの子会社化を業績に織り込んだ。
グーグルが日本で求人事業に参入
米グーグルは19年1月から、日本で求人サイト「グーグル・フォー・ジョブズ」の提供を始めた。グーグルの検索サイトで仕事や転職に関連したキーワードを入れると、広告と一般の検索結果の間に求人情報を表示する。
求人サイトや企業の利用料は無料。エン・ジャパンやパーソルホールディングスなど転職からアルバイトまで幅広い求人サイトと連携する。
リクルートHDが買収した米インディードは「人材業界のグーグル」と呼ばれるが、本家本元のグーグルがインディードの牙城である日本に殴り込みをかけてきたことで、求人サイトは戦国乱世に突入した。
(文=編集部)