1月1日付日本経済新聞に、元日恒例の調査「経営者が選ぶ今年の有望銘柄」が掲載された。トップは6年連続でトヨタ自動車だった。
人材サービスのリクルートホールディングス(HD)は、昨年の37位から8位に急浮上した。「海外買収が収益貢献し、M&A(合併・買収)巧者のイメージが定着しつつある」と評価された。
全上場企業を対象に、約定回数と売買代金を基に株価ニュースサイト「株探」編集部がまとめた2018年市場人気年間ランキングによると、リクルートHDは昨年の38位から18位にジャンプアップした。
14年の上場から株価は3倍強となり、18年10月1日の株式時価総額は6兆5200億円と上場企業の9位にまで上昇した。海外を中心にM&Aを進めるグローバル化と、ビッグデータを使った求人広告などのデジタル化の両輪が、株式市場の高い評価を支えている。
日本企業が海外企業を買収することは、国内市場が縮小していることもあって今後ますます増えるだろうが、成功した案件は少ない。成功例を挙げると、リクルートHDが12年に買収した米求人情報サイトの「Indeed(インディード)」がある。今や「人材業界のグーグル」と呼ばれる巨人に大化けした。
インディードのテレビ出稿金額は69億円
「仕事探しはインディード」
「バイト探しはインディード」
このテレビCMが流れない日はない。
電通が18年2月に発表した「2017年日本の広告費」は各ブランドのテレビ広告総額を算出している。それによると、インディードは出稿金額69.3億円で堂々の4位。18年はさらに出稿金額が増えていると推測されている。
インディードは米国を発祥とする、求人情報専門の検索エンジンを手掛ける企業だ。リクルートHDのHPでは、「インディードは、従来のDODAやマイナビのような求人広告サイトよりも、ヤフーやグーグルのような検索サイトに近い」と説明されている。
ヤフーやグーグルなどと同様に検索エンジンだが、インディードは求人情報に特化した。 求人サイト、新聞などのメディア、各種団体、企業の採用ウェブページなど、数千のウェブサイトを巡回して求人情報を収集。独自のAI(人工知能)テクノロジーを駆使し、求職者の検索条件に合わせて一覧表を表示する。求職者が履歴書を登録し、探したい仕事を打ち込むと、経歴や特性に適した仕事が表示されるという仕組みになっている。圧倒的な求人数であることが強みだ。
インディードは有料枠と無料枠の2つの枠がある。有料枠がインディードの収入源だ。