消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
NEW
2023.03.06 11:33
2019.02.02 21:00
篠崎靖男「世界を渡り歩いた指揮者の目」
天才・ベートーヴェンを生んだ不幸な英才教育、天才・モーツァルトを生んだ幸福な英才教育
身分を超えた恋の行方
そんな時に事件が起こりました。召使によって鏡のように磨き上げられていた宮殿の床で転んでしまったのです。そこで助け起こしてくれたのが、皇帝夫婦の11人目の王女、マリー・アントワネットでした。その優しさに感激した6歳のモーツァルトは、当時7歳のマリー・アントワネットに、「大きくなったら僕のお嫁さんにしてあげる」と求婚しました。
2人が結婚することはありませんでしたが、その後、モーツァルトはスター作曲家の道を歩む一方、35歳の若さで生活に困窮しながら世を去りました。そしてモーツァルトの死の2年後、マリー・アントワネットは、フランス王ルイ16世の王妃として、フランス革命のパリでギロチンの露と消えました。
当時は、皇室の王女と、使用人の身分の音楽家の結婚は許されるものではありませんが、時代が時代ならと思います。日本のご皇室をはじめとして、現在の世界中の王室では、民間人との結婚が主流になっているので、天才作曲家モーツァルトと、ハプスブルク家王女マリー・アントワネットの結婚なんて、考えただけでも素敵です。
そしてもし、モーツァルトが王女と結婚していたら、金銭的苦労なく、長生きし、41番までしかつくられなかった交響曲を100番くらいまで我々に残してくれたかもしれません。一方のマリー・アントワネットも、生まれ故郷のウィーンで、モーツァルトの音楽を楽しみながら、天寿をまっとうしたことでしょう。
(文=篠崎靖男/指揮者)
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.11.21 18:05
2024.11.21 18:00
2024.11.20 22:21
2024.11.20 20:41