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赤字拡大の吉野家を尻目に、松屋の客が“増え続けている”理由…ロシア進出の勝算

文=編集部
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 ヤクーツクは、12月には昼間でも気温がマイナス50度程度になる。滑走路の凍結時でもインフラ機能を維持することが課題となっていた。

 飛行機の機体に付着した氷雪を除去するメンテナンス装置を設けるほか、格納庫内の整備機器を提供する。改修プロジェクトの事業規模は24億円。20年秋に着工し、21年の運用開始を目指している。

 北海道総合商事はウラジオストクに子会社を持ち、現地でアンテナショップの運営や日本企業の進出支援に取り組んできた。

 ロシアでは、すしなど日本食の人気が高まっているが、日本食のレストランはまだ少ない。天間氏は、ロシアの極東から首都モスクワに進出し、日本食の売り込みに力を入れる。銀行、商社と転身してきた天間氏が、今度はロシアで外食にチャレンジする。

牛丼大手3社の決算は明暗が分かれる

 人件費増や原材料費の高騰という強い逆風が吹きつけるなか、牛丼大手3社の決算は明暗を分けた。

すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD)の19年3月期連結決算は、売上高が前期比8%増の6237億円、営業利益が16%増の203億円、純利益は8%増の86億円を見込む。

 ゼンショーHDは17年11月に定番メニューを値上げしたが、ほぼ毎月、季節限定の商品を投入。目新しいメニューが好評で既存店の客数が増え続けた。これで材料高や人件費の負担増をカバーした。

 吉野家ホールディングス(HD)の19年2月期の連結純利益は60億円赤字(前の期は14億円の黒字)に転落した。従来予想(11億円の赤字)から赤字幅が拡大した。売上高は前期比2%増の2023億円(従来予想は2050億円)、営業利益は97%減の1億円(同11億円)だった。

 吉野家HDは14年に並盛り牛丼などの値上げを実施したが、これが客離れを招いたという苦い経験から、足元のコスト高にかかわらず再値上げを見送った。冬場に人気メニューの「牛すき鍋膳」を投入したが、それでも下期の売上高が計画に届かなかった。うどん店「はなまるうどん」などの一部店舗の撤退も響いた。

 松屋フーズHDの19年3月期の連結決算は、売上高が前期比5%増の976億円、営業利益は2%増の42億円、純利益は横這いの24億円の見込み。18年4月までに値上げを実施したが、2週間に1回という頻度で新商品を投入。これが客数増につながった。

 松屋フーズHDはステーキの新業態店「ステーキ屋松」の展開を始め、1号店をJR三鷹駅(三鷹市)北口にオープンした。看板商品の「松ステーキ」は200グラムのステーキのセット価格が1000円。80年代にステーキ業態を手掛けたことがあり、30年ぶりの再挑戦となる。

 そして、満を持して挑むのがロシアである。果たしてどうなるのか、関心が集まる。
(文=編集部)

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