昭和喫茶のような、ゆったりとした店内空間が特徴の「珈琲所 コメダ珈琲店」。1968年に名古屋で創業して以降、2022年2月末までに全国で899店舗を展開している。
そんなコメダといえば、メニュー写真より実物が大きいと感じることから、SNSでは良い意味で「写真詐欺」「逆セブン」と呼ばれるメニューが多い。この「逆セブン」とは、セブン-イレブンの一部のサンドイッチなどの具材が見た目から想像するより少ないと問題になっていたことから、その逆で“思っていた以上に量が多い”ことを意味した造語である。
そこで今回は、「写真詐欺」と名高いコメダのメニューのなかでも、とりわけSNSで話題になることが多い「カツパン」にフィーチャー。セブンの「三元豚とんかつサンド」と比較しながら、その規格外の大きさを紹介したい。
大ボリュームのコメダのカツパンは箱もデカい
コメダでは、メニューのうち29種類のフードメニューがテイクアウト可能(店舗によって取り扱えない商品あり)となっている。
今回は940円(税込/以下同、地域により880~950円)のカツパンをテイクアウトで購入。ちなみに、比較対象として購入したセブンのとんかつサンドは399円だったため、値段には2.5倍ほどの差がある。
カツパンはパンを1つ買っただけとは思えないほど大きい紙袋で提供された。紙袋の中にはプラスッチック容器にカツパンが入っている。この容器自体も目を見張るような大きさで、一般的なテッシュボックスと同じくらいのサイズ感である。
さて、容器を開けてカツサンドを見ていこう。商品は3つにカットされている。1カットが十分大きいので、シェアして食べてもよさそうだ。また注文時に、何分割するかカット数のオーダーもできるので、大人数で食べる場合にも嬉しい。
カツパンは衣がサクサクで肉はジューシー
まずはカツパンのパン部分をちぎって食べてみると、生地はもっちりとした印象。そのため、ひと口食べただけでもずっしりとした食べ応えを感じた。
そしてメインのカツ部分は、カツパンととんかつサンドを比較してみたい。
真上から見てみると、カツパンのカツの尋常じゃない大きさがわかる。カツパンのカツの表面積はとんかつサンドの4倍ほどあるように見える。これが先ほどのパンにサンドされているのだから、ボリュームがすごいのも当然だろう。
しかし断面を比べると、実はカツパンのカツは薄めであることがわかった。一方、とんかつサンドのカツは肉厚で、その差は2倍ほど。とはいえ、とんかつサンドがかなりの厚さをウリにしているため比較すると負けてしまうが、カツパンの肉がペラペラなんてことはなく、カツパンの肉も充分な厚さである。
カツパンの表面積は4倍ほどだが厚さが2分の1ほどであることを考えると、単純な肉の量は2倍程度だろう。そしてカツパンは金額が2.5倍ほどだったことから、値段に対する肉の量のコスパは大差ないようだ。
カツパンのカツ部分を食べてみると、テイクアウトして1時間ほど経っていたが、衣はサクサクで非常に美味。また、とんかつサンドと比較すると薄めだったが、実食してみると物足りなさを感じることはなくボリューミーだった。むしろカツを薄くすることで、衣の食感とカツの旨味のバランスを取っているような印象を受けた。
続いて、中身を確認していこう。カツパンはカツにソースがかかり、その上に玉ねぎと辛子入りマヨネーズ。とんかつサンドはソースがかかりキャベツが乗っている。
カツとパンの絶妙マッチングで味にも大満足
ここまでパン部分やカツ部分を別々に味見をしてみたが、いよいよここでカツパンとして実食。
厚みがあって弾力のあるパンと、ボリューム満点で食べ応えのあるカツが抜群のバランスでマッチングしている。さらに千切りキャベツのシャキシャキ食感が心地良く、薄くスライスされたオニオンが爽やかさをプラスしていた。辛子入りマヨネーズは、程良いアクセントになっているくらいで、辛いものが苦手な人でも食べることができそうだ。
そして突筆すべきは、やはりその量である。1カットでもハンバーガー1つ分以上の満足感を得ることができた。それが3カットもあるわけだから、コスパも上々である。
コメダのカツパンは噂通りのコスパで、想像以上のボリュームだった。とにかく大きく、“写真詐欺”と評されるのも納得だ。
値段はセブンのとんかつサンドの約2.5倍のため、肉量のコスパという面ではイーブンといったところ。だが、サクサクの衣に包まれたカツのジューシーさや、ふっくらパンとの相性を考えると、味のクオリティはとんかつサンドを圧倒している印象。テイクアウトしても出来立てのような衣のサクサク感を味わえるなど、商品自体のクオリティも高く、“コメダファン”が多いことにも頷ける。
今回のようにテイクアウトもできるので、少食でも何食かに分けて食べたり、数人でシェアして食べたりすることもできるので、まだ食べたことがないという方は、ぜひ一度ご賞味いただきたい。