1967年に前身の似鳥家具店が誕生してから、50年以上もの間親しまれてきた家具およびインテリア用品小売大手ニトリ。店舗には家具はもちろん、便利な機能とシンプルでモダンなデザインを両立した日用品やインテリアも数多く並んでおり、多くの消費者に愛されている。
「お、ねだん以上。」というキャッチコピー通り、コストパフォーマンス抜群の商品ラインナップが受けている。2021年にはホームセンター事業で名を馳せた、株式会社島忠を完全子会社化。ニトリグループの時価総額は2022年2月20日時点で、上場時の104.9倍にまで増えており、店舗の総数も同月時点で801店舗にまで拡大している。
しかし、そんなニトリの商品だが、なかにはちょっと購入に二の足を踏んでしまいそうな“要注意商品”も紛れている様子。そこで本記事では、ニトリのラインナップを徹底リサーチし、懸念点を抱えた“要注意なニトリ商品”を5つ選び出したので、賢いお買い物の参考にしていただければ幸いである。
伸縮フローリングワイパー(ラクッカ)/549円(税込、以下同)
本品は、2021年11月20日付記事『ニトリ、「お値段以上」ではない?要注意な5品…粘着力が弱い結露吸水テープほか』でも紹介したのだが、その後のネットのレビューでも賛否が分かれていたので、今回も紹介させていただきたい。
フローリングをきれいに保つために定期的な掃除は欠かせないが、屈まずにクリーニングできるワイパーは便利なアイテムだ。ニトリにも、そんな場面に役立つという触れ込みの商品が売られているのだが、少々欠点も抱えているようだ。
本品は市販のクリーニングシートを底面に装着することで、フローリングの掃除ができる仕様となっており、底面は中央が凸型構造となっているのでゴミを逃しにくい。
だが、問題は柄の部分にある。というのも、本品は三段階の伸縮式になっており、つなぎ目がツイストロック方式になっているのだが、使い込んでいくと使用中にガクンと縮んでしまうという報告が、いくつかレビューに寄せられているのだ。縮まないようにかなりしっかり締めると、今度は短くしようとしたときに相当力を込めないといけなくなってしまう。つなぎ目がカチッとハマるロック形式のワイパーが他に売っていることを考えると、そちらを買ったほうが長く使えるかもしれない。
キャンドルホルダー シリンダー(S)/610円
お部屋を華やかにしてくれるキャンドル系の商品も充実しているニトリ。キャンドルを使用するときは、溶けたロウが垂れて汚れないように、キャンドルホルダーも併せて買いたいものだが、ニトリのこのキャンドルホルダーは正直、あまりおすすめできない。
本品は、幅8cm×奥行8 cm×高さ8cmのガラス製のキャンドルシリンダー。円柱形の外周の中に、キャンドルを乗せる小さな円柱形の受け皿がついている。二重構造になっているので、外側と内側の間に砂や砂利を詰めれば、おしゃれなオリジナルキャンドルインテリアをつくることもできるというわけだ。
だが、問題はこの外側と内側の受け皿をつなぐガラス製の細い支柱。これが本当にちょっとした衝撃でポキっと折れてしまい、使いものにならなくなるのである。特に横からの力に非常に弱く、実際筆者も本品を入れた買い物袋をそっと床に置いたら、その衝撃ですぐに破損してしまったほど。使い終わったキャンドルを取り出そうと力を込めた際に、もし溶けたロウが付着して固まってしまっていたら、それだけで支柱が折れるなんて可能性もありそうな要注意商品である。
竿ストッパー(2個組)/254円
洗い終わった洗濯物を物干し竿に干すとき、風などの影響で物干し竿がホルダーからツルッと外れて洗い直しに……なんて悲しい経験をした人もいることだろう。そういった失敗をしないために重宝するという触れ込みなのがこの商品だ。
本品は、物干し竿の端、竿を吊り下げるフックの外側に装着することで、竿がスライドしてフックから外れてしまうのを防ぐアイデアグッズ。ハサミ状になった本品は安定して物干し竿を挟み込んでくれるため、その使用感には問題なさそうである。
要注意なのは、そのコストパフォーマンスだ。本品は2個1セットで税込254円。だが、本品とほぼ同じ性能を持つ商品は、100円ショップに割とありふれている。そうなってくると、倍以上の値段となる本品をわざわざニトリで購入するメリットはあまりないと言わざるを得ない。
吊るせるコート用圧縮袋(2枚入り)/999円
いよいよ夏に入ろうとしている衣替えの季節。冬物のコートなどをすっきりと収納するために、圧縮袋を使う人もいることだろう。ニトリのこの商品もそんな衣類圧縮袋のひとつなのだが、利点より難点が目立つ商品かもしれない。
本品は、上部のハンガー下に2連式のフックがついており、ここにハンガーに通した冬物コートを最大2枚引っ掛けることができる。そして、そのまま掃除機などで空気を吸い出せば、コンパクトに衣類が収納できるというわけだ。
だが、問題はこの圧縮時に起きる。というのも、圧縮時に袋が収縮する動きで、ハンガーに通していたコートがずれてしまい、型崩れしたまま圧縮されてしまうことがあるのだ。ズレないように注意を払いながら圧縮すればうまくいくこともあるが、これが結構わずらわしい。ハンガーがずれない工夫が何かあれば非常に便利なだけに、あと一歩が悔やまれる。
冷蔵庫棚下収納トレー(Nブラン S)/999円
日々のお買い物で、すぐにいっぱいになってしまう冷蔵庫。だが、よく見ると冷蔵庫にはデッドスペースも多い。本品は、そんなスペースを有効活用できるという触れ込みの便利グッズである。だが、実際に使ってみると残念な部分に気がついてしまうことだろう。
この商品は、冷蔵庫の棚下に差し込むことで、スペースを有効活用できる商品。ハムやスライスチーズといった商品を入れておくのに最適だ。問題とされているのは、棚との固定部分。PET樹脂製のクリップで留める方式なのだが、その力が弱く、冷蔵庫の種類によっては、トレーを引き出そうとしたときに本品自体がズレてしまうという声が上がっているのだ。
クリップ部分にシリコン製のズレ防止ベルトのようなものはついているのだが、正直あまり効果は感じられなかった。また、柑橘類に含まれるテルペン、または油脂によって変質することもあるそうなので、中に入れる食材には気をつけていただきたい。
値段以上のクオリティーの商品を多数取り揃えているニトリだが、なかには今回紹介したような要注意商品もいくつか紛れている。とはいえ、今回取り上げた商品にも確かな利点はあるので、今回の記事を参考にしていただきつつ、実際に店頭で手にとって購入するか否かをジャッジしてほしい。
(文・取材=A4studio)
※情報は2022年5月11日現在のものです。