10月15日に放送されたバラエティ番組『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)では、一流ピザ職人7人が宅配ピザチェーン・ピザハットのイチオシ商品トップ10品をジャッジ。「価格に見合った本当に美味しい商品なのか」といった視点で合否を判定した。
その結果、「おひとり様ピザ トマト&ガーリック」と「骨付きチキン (うま辛)」の2品が満場一致を獲得。10品中半数以上がピザだったにもかかわらず、サイドメニューである「骨付きチキン (うま辛)」が一流ピザ職人の舌をうならせたことは驚きであり、その実力は気になるところ。
そこで今回は、ピザハットの「骨付きチキン」を、ファミリーマートの「ファミチキ」とケンタッキーフライドチキンの「オリジナルチキン」を食べ比べてみた。
ファミリーマート「ファミチキ」:食べやすさ最高
まずは「ファミチキ」(税込198円)。とにかく衣に脂っこさがなく、万人受けする食べやすさである。食べやすさは肉も同様で、噛むとトロけんばかりのチキンの旨味が口の中に広がり、ジューシーというよりはむしろ瑞々しい。コッテリ感は一切なく、顎が疲れることは皆無。なにより、骨もないためサクサク食べ進めることができる。
しかし、全体的に薄味なため、ガッツリ感を求める人はやや物足りなさを覚えそう。重さは96gとまずまずのボリューム感であり、小腹が空いてサクッと食べたい時に適しているチキンといえる。
ケンタッキーフライドチキンの「オリジナルチキン」:チキンはパサパサ
次にフライドチキンの王道・ケンタッキーの「オリジナルチキン」(税込260円)。とにかく見た目通り、たっぷりの脂がチキンを覆っている。そのため、表面はカリッとした部分もなくはないが、基本的には脂がついている部分が多い。重さも148gと一番重く、とてもジャンクだ。
肉は固いうえにパサパサしており「ファミチキ」と対局。ジューシーさを求めるのであれば、ベターとはいいがたい。ただ、ケンタッキー独特の味付けは唯一無二。スパイスの強い香りはチキンとの相性が良く、“ケンタッキーでしか楽しめない味”である。ただ、部位にもよるが骨が結構出るので、とても食べやすいとはいえない。
ピザハット「骨付きチキン」:甘さと辛さの二段構造
最後に今回のメインであり、25年間サイドメニューとして一番の人気を誇る「骨付きチキン (うま辛)」のSサイズ(税込340円)を実食。ちなみに、Sサイズは2ピースで、4ピースのMサイズ(税込590円)、8ピースのLサイズ(税込1050円)とサイズによってピース数が変わる。
まず、サイドメニューであるため仕方ないが、ほかの2つのチキンと比較してとても小さい。1つ51gであり、2つ合わせても「ファミチキ」と同程度。さらには、真ん中に骨が付いているため、見た目以上に食べるところは少なく、コスパ面に不安を覚えた。
実際に食べてみると、外はカリカリ、中はジューシー。肉汁がジュワっと広がりジャンクでありながらも贅沢感がある。「ファミチキ」と「オリジナルチキン」の間のような食べやすさだ。
さらには、番組内でも出演者が口にしていた通り、最初は甘いため「全然(うま辛)じゃないじゃん」と思ったが、徐々に辛くなる二段構造。それも、そこそこ辛い。脂っこさと辛さに、コーラやビールなどの炭酸で舌や喉に新しい刺激を与えたくなる。
また、肉がホロホロしているため、骨から離れやすく、小さなチキンにかぶりつき、必死になってチキンを骨から外す姿を晒す心配もない。しっかり食べることができ、食べ終わった後も綺麗である。日本ピザハットは2017年5月に売却されるまでケンタッキーフライドチキンを運営する日本KFCホールディングスの傘下だっただけあり、“ピザ屋のチキン”と侮ってはいけなかった。
とはいえ、基本的にはピザハットは1400円以上の注文がなければデリバリーしてもらえないため、「骨付きチキン」だけを頼むことはなかなか難しい。コスパ面や利便性にハードルを感じるが、ピザハットを利用する際には注文して良いかもしれない。
(文=望月悠木/フリーライター)