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サイボウズ青野社長が「テロ減らすには原因究明」と持論 武井外務副大臣「テロ肯定につながる」と反論で激しいバトルに

文=佐藤勇馬
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サイボウズ青野社長の首相襲撃事件”原因探求”に外務副大臣が反論の画像1
※画像:「サイボウズ株式会社」企業サイトより

 Webデータベース型の業務アプリ構築クラウドサービス「kintone(キントーン)」などを手がけるサイボウズの青野慶久社長が、自身のTwitterでテロ事件を減らすためには「原因究明」が重要だと持論を展開。「テロ擁護と受け止められかねない」「原因をなくさないと永遠にテロはなくならないので納得できる」などと賛否を呼び、自民党の武井俊輔外務副大臣が反応するなど波紋が広がっている。

 青野氏は16日、自身のTwitterで「自民党が旧統一教会の問題に真摯に向き合っていれば、去年の辛いテロは起きなかったし、被害者も減らせたし、北朝鮮にお金が流れることもなかった。どうして日本国民がわざわざ命懸けで犯罪に走るのか。テロが起きる原因からなくしていきましょう」などと発言。昨年の安倍晋三元首相への銃撃事件や、先日の岸田文雄首相の演説会場で起きた爆破事件を踏まえたツイートとみられる。

 批判が寄せられることを見越してか、青野氏は「テロを擁護してますか?→まったくしていません。望まない社会現象の一つとして、どうすればなくせるのかを考えています。そのためには、起きてしまった事象の原因を探究し、解決すべきだという考えです。会社の中で日々起きる問題への対処もまったく同じです。落ち着いて探究し解決しましょう」「原因探求は容認につながるのでは?→ここが今回のポイントのようですが、なにより一番大切なのは再発防止であると考えます。そのために『テロは駄目だ』と掛け声をかけるだけでは不十分で、原因を探求して再発防止に向けた様々な課題に取り組むべきという考え方です」「テロをきっかけに原因を解決すると日本がテロ天国になって知人が殺される?→原因がなくなれば現象もなくなります」といった想定問答を展開した。

 安倍元首相を銃撃した山上徹也被告は、犯行動機がクローズアップされた結果として「旧統一教会への規制を強める」という目的を果たしており、「テロで社会を変えられる」という認識が広まって模倣犯を生むのではと危惧された。そのため、ネット上では「テロ加害者の動機や犯行に至る社会的事情に焦点を当てるとテロの肯定につながる」という意見が多くの賛同を集めていたのだが、これに青野氏が真っ向から反論した格好だ。

 さらに、青野氏は「加害者を肯定していない?→肯定していません。悪いのは加害者であり、被害者は悪くありません。まずこれは大前提です。そして加害者と被害者を減らしたいのです。そのために、加害者が犯罪を起こした原因を探求し、課題を設定して原因を減らす必要があるという考えです」ともツイート。これに対して、武井俊輔外務副大臣が17日にTwitterで「申し訳ありませんが100%間違っています。テロによって言論を封殺する者を寸分でも肯定することを誘発することは、結果としてテロリストを正当化することと同義です」と完全否定した。

 これに青野氏が「原因探求が正当化と同義だという理屈がよくわかりません。例えば暴力教師がなぜ暴力をふるったかを探求することは暴力を正当化することと同義だというお考えでしょうか?」と反応すると、武井氏は「その通りです。仮に酌むべき点があるとすれば、それは裁判所が量刑において判断することです。それ以上はないです。完全に間違っています」と再び断言。

 以降は「原因をつかむことで悪の行為を減らせる」とする青野氏と、ニュージーランドの首相が現地のモスクで起きた銃乱射事件について「犯人はテロ行為を通じて色々なものを手に入れようとした。そのひとつが、悪名だ。だからこそ、私は今後一切、この男の名前を口にしない」などと語ったことを例に「原因解明や社会的事情の考慮はテロの正当化につながる」とする武井氏が激しい議論を展開し、さながら“レスバトル”のような状況になった。

 一連の論戦はTwitterでトレンドワード入りするなど大きな反響を呼び、現在もネット上で賛否両論となっている。いずれにしても、青野氏は「社会にモノ言う経営者」としても今後は注目を集めそうだ。

佐藤勇馬/フリーライター

佐藤勇馬/フリーライター

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

Twitter:@rollingcradle

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