三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2024年4~6月期連結決算が2日、出そろった。純利益の合計は前年同期比19.1%増の1兆3386億円となった。国内外の金利上昇や企業の資金需要の高まりを背景に、貸出金収益が増加。日銀による3月のマイナス金利政策解除や、円安による円換算での利益増加も追い風となった。
グループ別では4社が増益。三井住友フィナンシャルグループは49.7%増、みずほフィナンシャルグループは17.9%増となり、いずれも過去最高益となった。資産運用などの手数料ビジネスの堅調に加え、政策保有株を含めた株式の売却も増益に寄与した。三井住友トラスト・ホールディングスは81.6%増、りそなホールディングスは56.4%増。
一方、三菱UFJは、持ち分法適用会社である米金融大手モルガン・スタンレーの損益計上時期変更の影響で0.4%減となったが、過去2番目の高水準だった。
マイナス金利解除を巡っては、三菱UFJや三井住友、みずほが4~6月期に、それぞれ100億~150億円程度の増収効果があったと分析。5社とも25年3月通期の連結業績予想は据え置いたが、日銀が7月末に追加利上げを決めたことで業績上振れの公算が大だ。三菱UFJは業務粗利益でさらに200億~300億円の上積みを見込む。
◇大手銀行5グループの24年4~6月期連結決算
純利益 実質業務純益
三菱UFJ 5,558 4,278
(▲0.4) (▲7.9)
三井住友 3,713 2,521
(49.7) (39.6)
みずほ 2,893 2,044
(17.9) (43.1)
三井住友トラスト 666 728
(81.6) (▲16.1)
りそな 553 555
(56.4) (21.2)
合計 13,386 10,129
(19.1) (10.0)
(注)単位億円。億円未満切り捨てのため、合計は単純合算とは一致しない。実質業務純益は単体または傘下銀行合算。純利益のカッコ内は前年同期比増減率%。▲はマイナス(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/08/02-19:55)