イオンで、夕方以降になると刺し身などの生鮮食品が半額から3分の1ほどに値下げされている、との情報がSNS上で散見される。これはどの店舗でも行われているのか。また、最大でどの程度まで値下げされるのだろうか。イオンに聞いたところ、特に制限は設けておらず、それぞれの店舗で判断しているという。
店舗数1万7887店、従業員数約60万人という一大小売企業であるイオングループ。その中核を担う総合スーパーのブランドである「イオン」「イオンスタイル」は、全国に約500店を展開し、食品購入の選択肢として多くの国民にとって身近な存在となっている。とはいえ、昨今の物価高騰のあおりをうけ、イオンよりさらに安い価格で食品を販売している“激安スーパー”で普段の買い物をしている家庭も多いだろう。
そんななか、「イオンでは夕方以降のなるべく遅い時間帯に買い物をしたほうがいい」という声がSNS上で散見される。その理由は、「夕方以降になると生鮮食品が大幅に安くなるから」というもの。特に魚などはその傾向が顕著にみられるようだ。「19時以降にいくと必ず半額の商品がある」「定価の3分の1になっていることがある」など、大幅な値引きが行われているとの報告もある。値引きされる商品や、値引きの割合、値引きが行われる時間帯などはあるのだろうか。
そこでBusiness Journal編集部はイオン広報部に話を聞いた。
値引きは現場判断
――値引きはどのような基準で行われているのでしょうか。
イオン広報「価格は各店舗・各担当者の判断となっています。一律の基準などはありません。ただ、曜日や天気などの情報から、売り切るためにAIが総合的に判断して適切な価格を出すようにしています。それに加えて、過去の経験などもふまえて現場で割引率などを決定しています」
――常態的に割引が行われていると、定価での販売が鈍くなるといったことはないのでしょうか。
イオン広報「そのような情報はありません。決まった商品を常に割引しているわけではなく、極力売れ残りを減らすための割引なので、定価で売れなくなるということにはならないと思います」
生鮮食品が売れ残らないように、各店舗や担当者が割引の判断をしているということで、イオンでパートとして働いている方に話を聞いた。
「私の働いている店舗では、天候や気温、時間帯、曜日によって異なる客足を見ながら、売れ残りそうな商品に割引シールを貼っています。時間帯によって、最初は10%、数時間後に20%、30%、50%と割引率を上げるなどして、売り切るようにしていますね。“クリーンタイム”という鮮度チェックのタイミングがあり、鮮度が落ち始めていると判断すると値引きするので、割引は必ずしも夕方とは限りません」
閉店までに売り切るため、夕方以降に割引が活発に行われることは多いようだが、午前中や昼過ぎの時間帯でも割引が行われることはあるという。なかには、前日に売れ残った商品を午前中に大安売りするケースもあり、身近な店舗の動向をチェックするといいだろう。
イオンをよく利用する主婦によると、「ボーナスマイルが付くもの」「割引シールが貼ってある商品」が狙い目だという。また、イオンカードを持っている人は毎月20日・30日が5%オフになり、ほかにもWAONPOINTが10倍になる日や“お客様感謝デー”も要チェックだ。このようなタイミングを計り、ポイント還元などを活用すると、激安スーパーよりもさらにオトクに買い物ができるようだ。
(文=Business Journal編集部)