DAZN JapanがかつてのTwitter Japanと、意外な“共通点”があると大きな話題になっている。それは、「日本語の問い合わせやクレームには対応が非常に遅いが、英語への対応は早い」というもの。そこでBusiness Journal編集部は、実際に“日本語で” DAZN Japanに問い合わせてみた。
スポーツ専門のビデオ・オン・デマンド・サービス「DAZN」。日本での事業を展開するのはDAZN Japan Investment株式会社で、本社はイギリスにあり、今や世界200以上の国と地域でサービスを展開している。
サッカー、野球、モータースポーツなど、世界各国の様々なスポーツの試合を包括的に契約して試合や関連番組を同時配信しているほか、見逃し動画やダイジェスト番組も配信していることから、他の有料配信サービスよりDAZNを契約しているスポーツファンは少なくない。昨年、サッカー日本代表の「FIFAワールドカップ26」アジア2次予選の一部の試合が国内地上波で放送されず、DAZNでしか観戦することができないとして物議を醸したが、その際、多くのサッカーファンがDAZNに入会したという。
だが、DAZNには原則として無料体験のシステムがなく、月額4200円(2024年2月~)と他の配信サービスに比べて割高なため、お目当ての試合を見たらすぐに退会しようとしたユーザーたちから、「DAZNは解約しにくい」と不満の声が続出した。NTTドコモやau、UQ mobileなどのスマホサービスから申し込むと1カ月の無料体験をすることができるが、それ以外は最低でも4200円かかることになる。
そして、退会手続きは、自らのアカウントページから行う。手続きから30日間は契約が継続され、31日後に退会となる。その日までの料金は日割り計算で引き落とされる。そのシステムに不満の声が出るほか、DocomoなどのスマホサービスやケーブルテレビといったDAZN以外の提携サービスから入会した場合、DAZNのアカウントページで退会することはできず、当該提携サービスを経由しなければならない。その手続きがわかりにくいとの声が多くある。
また、値段設定に対しても不満は多い。今年2月、月額料金が3700円から4200円へと値上がりした。500円の大幅なアップに多くの悲鳴が上がったが、サッカーなどスポーツファンは、DAZNでしか見られないコンテンツも多いため、値上げを受け入れざるを得ない状況だ。
DAZN、日本語の問い合わせには対応が遅い?
そんなDAZNに関しては、運営側のサポート体制に不満の声が多い。主なものは、「問い合わせをしようとしても電話がつながらない」「チャットやメールで問い合わせても返事が来ない」「解約しようとしてもしつこく別サービスを勧誘してくる」などである。
特に問い合わせに答えてもらえない、という声は非常に多い。その一方で、英語で問い合わせたらすぐに返事がもらえ、トラブルが迅速に解決された、との声も一定数ある。実際にX上で次のようなポストがあり、話題になっている。
「現在のDAZN Japanと昔のTwitter Japanの共通点として、『日本語でクレーム入れたり交渉したりしても、1億2千万年経っても解決できない。英語でクレーム入れたら3日で解決する』というのもあるな」
9月3日にこのポストが投稿されると、瞬く間に100万回以上閲覧された。さらにこのポストが引用するかたちで拡散されたポストも注目されている。
「元Twitter Japan社長が今頃ノコノコ出てきてイーロンへの恨み節書いてるが、現職が『大幅な値上げとサービス改悪&退会し難いダークパターンなサイト構成で悪名高いDAZN Japan』のCEOというのを見て、さもありなんと思いましたとさ」
現在のDAZN JapanのCEO(最高経営責任者)は、元Twitter Japan社長の笹本裕氏で、いずれも日本語でのクレームに対しては対応が遅い、という共通点があると指摘する向きが続出している。
対会員へのサービスという共通点がクローズアップされているが、実際のところDAZN Japanは日本語での対応が遅いのだろうか。そこでBusiness Journal編集部は、DAZN Japanに問い合わせてみた。
現在DAZN Japanは、電話での問い合わせは受け付けていない。そこで、まずチャットボットを経由して取材を申し込んだところ、担当者がチャットに登場したので、取材の意図と質問事項を送った。すると、「チャットで答えられる内容ではないので、広報担当者からメールで連絡させるので、あらためて質問事項と連絡先を教えてください」と言われたため、以下の点につき問い合わせをした。
「DAZN Japanは日本語での問い合わせに対応が遅いが、英語での問い合わせには対応が早いといわれているが本当か」
「解約しにくいとの声が散見されるが、対応策は講じているか」
この質問に、広報担当者から折り返し連絡がもらえるとのことであったが、5日たった現在、まだ返答はない。連絡があり次第、追記する。
(文=Business Journal編集部)