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クレディセゾン、債権残高を14年間、誤登録…ローン審査落とされた人も存在か

文=Business Journal編集部
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クレディセゾン
クレディセゾン・ユビキタスビル(「Wikipedia」より)

 クレディセゾンが、一部顧客の債権残高を14年間にわたって誤登録していたと発表。誤登録されていた対象者の与信判断に影響を及ぼした可能性があるという。クレディセゾンは対象者に書面で案内をしているというが、与信判断に影響が出ていたとすると、日常生活に直結する重大なミスだ。信用情報に詳しい司法書士は、「謝って済む話ではない」と憤りをみせる。

 クレディセゾンは9月27日、一部顧客の債権残高について、金額を誤登録していたことが判明したと発表。誤登録があった期間は2010年7月6日から2024年7月10日までで、対象となったのは破産手続きや1年以上の支払い遅延により会員資格を失った利用者948名。誤登録によって、対象者がクレジットやローンなどを申し込んだり契約変更などをした際の与信判断に影響を及ぼした可能性がある。

 同社では、割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関であるシー・アイ・シー(CIC)と日本信用情報機構(JICC)に、契約に関する情報を提供して登録しているが、事務手続きの不手際により、債権残高を誤って登録していたという。

 クレディセゾンは、かつては西武百貨店や西友などとともに旧セゾングループ(西武流通グループ)の中核的存在だった。1983年に西武流通グループの統合カードとして前年から試行発行していた西武カードを改称して、セゾンカードとなった。1997年にはアメリカン・エキスプレス(アメックス)と提携して「セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード」を発行。2010年、アメックスとの提携関係を強化し、カードラインナップを拡大した。同年は、セブン&アイ・フィナンシャルグループと包括的業務提携で基本合意し、そごう・西武提携カード事業の合弁会社化した年でもある。

 誤登録が始まったのは、まさにそんなクレディセゾンにとって激動となった年だ。そこから14年間にわたり、利用者の債権情報が誤って登録されていたわけだが、消費者の信用情報について詳しい司法書士は、「クレディセゾンは謝罪文を発表し、再発防止に努力すると言っているが、信用情報が誤って登録されるということは、消費者の生活に多大な影響を与える可能性があると認識すべき」と憤る。

クレジットやローンの審査で不当に落とされた人がいるおそれも

「発表によると、『破産手続きや1年以上の支払い遅延により会員資格を失った利用者948名』に関する情報が誤っていたとなっています。つまり事故情報、いわゆる“ブラックリスト”に載った状態でしょう。一般的に支払い遅延があった場合や債務整理を行った場合は、完済してから5年程度たつと事故情報が削除されます。自己破産した場合は、CICは免責決定から5年、JICCは破産申立から5年、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は破産手続きの開始決定から7年、事故情報が載り続けます。なかには10年近く事故情報が載っているケースもあるようですが、ほとんどの事故情報は5~7年で消えるはずです。

 信用機関に登録されている情報は、属性(氏名・住所・電話番号・勤務先の名称、住所、電話番号)、借入先と金額。そして、この借入先の欄に、「貸倒(返済不可)」「異動(延滞)」などと事故情報が記載されます。

 クレディセゾンの誤登録内容の詳細は不明ですが、『与信判断に影響を及ぼした可能性がある』と発表していることから、借入金額が過大に登録されていたり、本来消えているはずの事故情報が残っていたのかもしれません。利用者が他事業者とクレジットやローン契約を結ぼうとした際に、本来は審査が通るべきなのに、落とされた可能性があるわけです。審査で落とされたとしても、申請した人は、なぜ落とされたのか、理由を教えてもらうことはできません。

 現代社会において、クレジットやローンは日常生活に不可欠な決済手段となっています。その与信判断に影響を与える登録情報は、正確であることが求められます。逆に、債権情報が少なく登録されていれば、事業者に損害を与えることもあり得ます。しかも、クレディセゾンは14年間も誤登録を行っていたわけで、ひそかに社会に甚大な影響を与えていたといえます」

 クレディセゾンは発表した27日時点で、利用者の信用情報に誤りがないことを確認しているという。対象者には8月22日から順次個別に書面で案内しており、公式サイトでも「大変ご迷惑をおかけいたしましたことを深くおわび申し上げますとともに、今後の再発防止に向けて鋭意努力してまいります」と謝罪文を掲載している。

(文=Business Journal編集部)

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