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若者の半数が「死後のSNS全削除」を希望…“デジタル遺品”への強い警戒感が顕著に

2025.12.03 2025.12.03 10:26 企業
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UnsplashJonas Leeが撮影した写真

「終活」という言葉が定着し、昨今では「デス活」や「終活スナック」といった死をカジュアルに語る場も若者の間で広がりを見せている。しかし、生まれた時からインターネットが身近にある「デジタルネイティブ世代」にとって、自身の死は物理的な整理だけでは完結しないようだ。

 東証プライム上場の葬儀大手、燦ホールディングス株式会社が実施した「デジタルネイティブ世代の終活観に関する調査」(対象:未婚の20~30代男女300名)によると、SNS上に人生の記録を刻み続ける彼らが、死後にはその痕跡を「消し去りたい」と強く願っている実態が浮き彫りとなった。

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死後のSNSアカウント、「残したい」はわずか1割

 調査によると、自身の死後にSNSアカウントが残ることについて、「残ってほしくない(削除してほしい)」と回答した人は47.7%と約半数に達した。「特に気にしない」は41.0%であり、「残ってほしい」と答えたのはわずか10.0%に留まる。

 削除を希望する理由(複数回答)としては、「プライバシーが気になるから」(53.9%)に加え、「放置されているのが嫌だから」(51.8%)が上位を占めた。

 この結果からは、生前は自己表現の場として機能しているSNSが、死後に管理者不在のままネットの海を漂う「デジタル廃墟」化することへの強い忌避感が読み取れる。彼らにとって、管理されないデジタルデータは、保護されるべきプライバシーのリスクそのものなのだろう。

<調査サマリー>
①デジタルネイティブ世代だからこそ、約半数がSNSアカウントの削除希望 プライバシーと放置状態への懸念が上位に
②終活の開始時期は「50代~60代」が最多層に!
 「自分の持ち物を処分・整理」と「デジタル終活」が二大関心事
③自身が亡くなったことを知らせたい相手上位は「家族」が57.7%、次いで「親友」が32.7%と
 親密度の高い関係に限定したいという傾向が判明
 SNSで亡くなったことを投稿してほしいと思わない人が半数以上
④理想の最後は「一人で静かに」が最多47.7%
 納骨方法にも表れる自由な価値観。自由と個を重んじる現代の「生」の終わり方

■「自身の死後のSNSアカウントについての意識調査」概要
調査期間:2025年9月26日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象者:未婚の20代・30代の男女
回答者数:300名(20代男性75名・30代男性75名 /20代女性75名・30代女性75名)
調査主管:燦ホールディングス株式会社
※グラフ中の回答割合は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります
【燦ホールディングス「デジタルネイティブ世代の終活観に関する調査」より引用】

終活の「二大関心事」となったデジタル整理

 では、彼らはいつ、どのような終活を想定しているのか。開始時期として最も多かったのは「60代」(23.7%)、次いで「50代」(18.0%)となり、定年などの人生の節目を意識していることがうかがえる。

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Q.あなたが終活を始めるとしたら、何歳くらいから始めたいですか? n=300 

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 具体的に取り組みたい内容としては、「自分の持ち物を処分・整理」(43.7%)がトップだが、次いで「デジタル終活」(29.3%)が高い関心を集めた。物理的な身辺整理と並び、スマホやPC内のデータ、クラウド上の資産などの「デジタル遺品」の処理は、現代の終活において無視できない重要課題となっているようだ。

Q.以下の終活の中で、やってみたいと思うものはどれですか? n=300※複数回答可

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「死をSNSで拡散されたくない」若者の本音

 興味深いのは、訃報の伝え方に関する意識だ。自身が亡くなったことを知らせたい相手は「家族」(57.7%)、「親友」(32.7%)といった親密な関係に集中し、「過去の恋人」や「ネット上の知人」には知らせたくないという傾向が強い。

 

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Q.あなたが亡くなった場合、以下の方に知らせてほしいと思いますか? n=300

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 さらに、自身の死をSNSで投稿(告知)してほしいかという問いには、57.7%が「思わない(知らせなくてよい)」と回答している。日常的にSNSを利用している世代でありながら、自身の死という究極のプライベート情報に関しては、不特定多数への拡散を拒み、情報のコントロールを強く望んでいることが分かる。

Q.あなたは「SNS(XやInstagramなど)」で自分が亡くなったことを投稿してほしいと思いますか?
※LINEやDMなどの1対1のやりとりは対象外とします。n=300

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理想の最期は「一人で静かに」が最多

 死生観の変容は、最期の迎え方にも表れている。理想の最期について「一人で静かに」(47.7%)が最多となり、「家族に看取られたい」(34.0%)を上回った。

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Q.あなたが考える「理想の最後の迎え方」はどれに近いですか? n=300 
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 また、納骨方法についても「特に希望はない」が4割を超える中、散骨や樹木葬といった自然葬を希望する層においては、特に「一人で静かに逝きたい」という志向が強い傾向が見られた(散骨希望者の6割超)。

Q.あなたが亡くなった場合、どのような納骨方法が良いですか? n=300

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 かつての「家」や「墓」を守るといった伝統的な価値観は薄れ、死に際しても「個」を尊重し、誰にも迷惑をかけずに静かに幕を引きたい――。今回の調査からは、デジタル空間での繋がり過多に疲弊しつつも、最期はリアルな静寂とプライバシーの確保を求める、現代の若者特有のシビアな死生観が垣間見える。

【調査概要】 調査主体:燦ホールディングス株式会社 調査期間:2025年9月26日 調査対象:未婚の20代・30代の男女300名 調査方法:インターネット調査

■会社概要
 燦ホールディングスグループは、東証プライム市場に上場する全国展開の専業葬儀事業者であり、葬祭業界のリーディングカンパニーとして、90年以上にわたり人の「最後」と真正面から向き合ってきました。

私たちは“まごころ”をもって故人をお見送りする時間を大切にし、シニア世代とそのご家族の一人ひとりの人生に寄り添いながら、葬儀は人生の最終章を締めくくるかけがえのない儀式だと伝えたいと考えます 。

また、ライフエンディングに対する啓蒙にも積極的に取り組み、ご本人とご家族が安心して最後を迎えるための準備を、社会全体で支える未来を目指しています。

これからも、人生100年時代を生きるすべての人にとって、「最後の時間が愛と敬意に包まれる社会」の実現に貢献してまいります。

※本稿はPR記事です。

BusinessJournal編集部

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