ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 生成AIは“経営問題”になった

生成AIは“経営問題”になった…意思決定層300人が集まる場で見えた本質

2026.02.16 2026.02.16 01:02 企業

生成AIは“経営問題”になった…意思決定層300人が集まる場で見えた本質の画像1

●この記事のポイント
公募・推薦により選ばれた300名のみが参加できる招待・審査制の限定カンファレンス「WEB 300 Conference」で、生成AI実装を主導する意思決定層が一堂に会し、技術論にとどまらない実践的な議論が展開された。「日本企業のAI導入は米国より3年遅れている」「2030年までにAI活用企業は1人当たり売上が倍増する」――。現場で意思決定を担ってきた登壇者たちの言葉は、PoCから全社実装への転換点を迎えた日本企業への明確なメッセージとなった。

 2026年2月2日、東京で開催されたWEB 300 Conferenceは、生成AIの社会実装を語る上で見逃せない選抜された場として機能していた。

 このカンファレンスの最大の特徴は、公募・推薦により選ばれた300名のみが参加を許される招待・審査制という点にある。一般的なビジネスカンファレンスとは一線を画し、実際にAI導入を主導してきた企業の意思決定層、技術責任者、そして次世代を担う起業家たちが集結。技術論や理想論にとどまらず、経営判断・組織設計・ガバナンス設計という避けて通れないテーマに正面から向き合う議論が繰り広げられた。

 本記事では、当日の注目セッションをレポートし、生成AIが実装フェーズに入った今、なぜこのような「選ばれた議論の場」が必要とされているのかを探る。

●目次

「招待・審査制」の意味──選ばれた300名が集う場
日本企業のAI導入はなぜ遅れたのか
村上憲郎氏が語る「資本主義の終わりの始まり」
おわりに:実装フェーズに入ったAI時代の「議論の場」

「招待・審査制」の意味──選ばれた300名が集う場

 WEB 300 Conferenceは、公募・推薦により選ばれた300名のみが参加できるという、極めてクローズドな形式を取っている。参加者の多くは、生成AI活用の旗振り役として社内で意思決定を担ってきた立場であり、単なる情報収集やトレンド把握ではなく、「自社に実装する」ことを前提に議論を持ち寄っている印象だった。

 会場で交わされる会話の温度感は、いわゆる“生成AIの可能性”を語る段階をすでに通り越していた。どの企業も、PoCや検証の先にある「全社展開」を見据え、その壁をどう越えるかに焦点を合わせている。導入の意思決定や現場の抵抗、ガバナンス設計、リスク管理といった論点が、自然と議論の中心に置かれていた。

日本企業のAI導入はなぜ遅れたのか

 登壇者の発言で印象的だったのは、生成AIの導入を単なる“ツールの導入”と捉えず、経営や組織の変革として語っていた点だ。

「日本企業のAI導入は米国より3年遅れている」――。こうした指摘は、危機感を煽るための言葉というより、実装の現場で痛感された“現実の差”として受け止められた。

 遅れの理由は複合的だ。技術の優劣というよりも、意思決定のスピード、全社展開の権限設計、そして失敗を許容する文化の違いが大きい。AI活用が競争力を左右する局面に入ってきた今、その差は無視できない経営課題として浮上し始めている。

村上憲郎氏が語る「資本主義の終わりの始まり」

生成AIは“経営問題”になった…意思決定層300人が集まる場で見えた本質の画像2

 セッションの中でもとりわけ会場の空気を変えたのが、初代Google Japan代表の村上憲郎氏の発言だった。

 高野氏が「AIで仕事がなくなるのでは」と問いかけると、村上氏は笑顔で答えた。

「いいことですよね。私が1960年代後半にお巡りさんとちゃんばらしていた時に目指していた社会が、ついに到来するということです。人類は労働から解放される。資本主義の終わりの始まりが始まり始めたということで、私としては『やった』という感じです」

 この理想主義的な発言は、一見すると会場の空気と合わないようにも思えた。しかし村上氏のメッセージは明確だった。

「足元では社員にChatGPTかGeminiを使い倒す環境を整えてください。それが今、経営者がやるべきことです」

 理想と現実、その両方を語る村上氏の言葉は、参加者たちに深い印象を残した。

おわりに:実装フェーズに入ったAI時代の「議論の場」

 WEB 300 Conferenceが示したのは、生成AIが「実装フェーズ」に入ったという明確な事実だ。

 技術的な可能性を語る段階は終わった。今、求められているのは「どう意思決定し、どう組織を動かし、どう責任を取るか」という経営の問題だ。

 村上氏の「今すぐ全社員にAIツールを配布すべき」、そしてトヨタ自動車会長・豊田章男氏の「人間のめんどくささこそが価値」。それぞれの言葉は、異なる角度から同じメッセージを発している。

生成AIは“経営問題”になった…意思決定層300人が集まる場で見えた本質の画像3

 AIの時代において、企業の競争力は「AIをどう使うか」で決まる。そして、その判断を下すのは経営者であり、実行するのは組織全体だ。

 WEB 300 Conferenceは、その意思決定を担う人々が集まり、本音で語り合い、共に学ぶ場として機能している。技術論にとどまらず、経営論、組織論、人間論にまで踏み込んだ議論ができるのは、参加者が全員「実装を担う当事者」だからだ。

 生成AIが社会実装される過程で、こうした「選ばれた議論の場」の価値はますます高まっていくだろう。WEB300 Communityが今後どのような展開を見せるのか、引き続き注目していきたい。

(取材・文=昼間たかし/ルポライター、著作家)

※本稿はPR記事です。

昼間たかし/ルポライター、著作家

昼間たかし/ルポライター、著作家

 1975年岡山県生まれ。ルポライター、著作家。岡山県立金川高等学校・立正大学文学部史学科卒業。東京大学大学院情報学環教育部修了。知られざる文化や市井の人々の姿を描くため各地を旅しながら取材を続けている。

X:@quadrumviro