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九電川内原発、なぜ再稼動一番手に?“談合破り”の裏に厳しい財務事情、全国で再値上げも

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●資本支援が相次ぐ可能性も

 安全審査で川内原発が玄海原発3、4号機に先行するのは、九電にとっても好都合だ。地元手続きは、「やらせメール」問題が尾を引いている玄海原発より川内原発のほうが円滑に進む公算が大きいからだ。

 審査終了後の関門は、再稼動の前提となる地元の了解だ。川内原発については鹿児島県の伊藤祐一郎知事が「地元」の範囲について「(立地自治体の)薩摩川内市と県(の判断)で十分」と繰り返し表明している。周辺自治体の同意は必要なしという考え方で、薩摩川内市の岩切秀雄市長も「地元経済は疲弊している。活性化させる必要がある」と語り、再稼動に強い期待をにじませている。伊藤知事、岩切市長とも再稼動に前向きなことから、迅速に手続きが進むとみられている。

 規制委は、さほど反対がない川内原発で実績をつくり、他原発の審査を効率的に済ませ、順次再稼動に持っていきたいともくろむが、再稼動容認の自治体ばかりではない。再稼動が大幅に遅れた場合、東電、関電、四電は今秋の電力料金の再値上げが視野に入ってくる。

 そんな中、日本政策投資銀行は、経営不振が続く北電を資本支援する。議決権のない優先株で今夏に500億円規模の出資をする方向で、債務超過を回避するのが狙いだ。政投銀は北電に続き、九電にも資本支援する交渉を進めている。九電は、夏にも優先株を発行して1000億円規模の資金を調達する。6月末の株主総会で定款を変更し、優先株を発行できるようにする。九電はこれまで、水面下で追加融資や資本増強策を検討してきた。原子力発電所の停止で業績が悪化している電力会社はほかにもあり、資本支援が相次ぐ可能性も出てきた。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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