コンビニのおでん、まだ暑い時期に販売の謎〜遅いと人事査定に響く、店舗は大赤字?
1月におでんが店頭から消えてしまうのは、なんとも本末転倒な感じだろう。早期展開期間の8・9月などにいたっては、セールがなければ1日25個前後しか販売が見込めないチェーンが多いので、こうした早期展開は、理にかなっているとは言い難いのだ。
さて、そんなおでんをコンビニで買う時の注意ポイントを紹介しよう。
まず、見るべきはおでんの什器にフタがついているか否かである。フタなしだと、つゆに虫が浮かんでる場合があるからだ。ムシは、光に寄ってくる習性があるので、特に郊外の店舗で、暗くなってからは要注意である。
また、フタありだとおでんのにおいが店内にいきわたらないので、あのにおいが苦手という人にとっては、コンビニを利用しやくすなるというメリットもある。このにおいについては、おでんの什器内はつゆの温度が80度以上となっていることが適正とされているのだが、60度を下回わると何とも言えない悪臭となる。さらに品質的にも劣化しやすくなるので要注意だ。なかなか確認しづらいが、おでんの什器に温度計がついているものもあるので、可能ならチェックしてみるのは、上級者向けのテクニックだ。
また、おでんの味の命であるつゆは、適時補充しないとにつまってしまい、旨みのないしょっぱいだけの味になる。さらに、おでんダネは、商品によって4~10時間の目安で廃棄することが厳格化している。おでん種の型くずれが激しくなければ、廃棄目安時間を超えても味がしみておいしいという声もあるが、基本的にはマメな店舗ほどおいしいおでんが食べられると見ていいだろう。
今回はおでんに対する解説だったが、結果的にネガティブ面が多くなってしまった。ただ最近では、うどんやラーメンなど変わり種新商品も続々発売されている。何より、おでんは各社とも低価格でそれなりにおいしい。コンビニおでんは庶民の味方でもある。
赤字店舗の多いおでんであるが、きっちり力を入れて展開しているお店を見極めて、是非買い支えて応援してあげて欲しい。コンビニから、おでん展開がなくならないように……。
(文=渡辺広明/流通クリエィティブディレクター)