例えば、2014年4月にはシャープが本格的なお茶を淹れることができる「ヘルシオお茶プレッソ」を発売。茶道と同じように「挽く・沸かす・点てる」を全自動で行うことができ、内蔵の臼で茶葉を粉末にしてお茶を点てるため、カテキンや食物繊維などの栄養成分をすべて含んだ風味豊かなお茶を堪能できる。
また、14年6月にはフィリップス エレクトロニクス ジャパンが、うどんやそば、パスタ、ラーメンを自動で製麺することができる「ヌードルメーカー」を発売。スパイスや野菜ジュースなどで、麺の風味や色を自由自在に変えることもできる人気商品だ。
このほかにも、13年3月にはアメリカのドール・フード・カンパニーが冷凍フルーツを入れるだけでクリーミーなデザートをつくることができる「ヨナナスメーカー」を発売、14年8月にはロハススタイルジャパンが家庭でも簡単かつ短時間でドライフルーツをつくることができる「ドライフードエアー」を発売している。
●東日本大震災以降、高まる調理家電のニーズ
なぜ、このような調理家電が続々と登場しているのだろうか?
今回、13年5月に多機能ホームベーカリーである「マルチホームクッカー」を発売したツインバードの営業企画管理部・宮澤正士氏に話を聞いた。
「『手づくりを楽しみたい、いろいろなメニューを手軽につくってみたい』というお客様の声が多かったので『マルチホームクッカー』を開発しました。食パンや全粒粉パンなどのパンメニューはもちろんのこと、塩麹やヨーグルトのような発酵メニュー、スイーツやジャム、スープや焼きいもなど、さまざまなメニューをつくれる機能を内蔵しているのです。さらに付属のレシピ本にも100種ほどのメニューが載っています」
消費者の要望に応えた結果、パンから塩麹のような珍しいものまで、多くのメニューに対応した製品を開発したというわけだ。では、実際にこのような調理家電のニーズは高まっているのだろうか。
「東日本大震災以降、調理家電のニーズが高まっていると思います。『安心感』というところが大きいのではないでしょうか。まだこの先も調理家電のブームは続くと思います。今後もさまざまな手づくりのお手伝いができるような製品を開発していきたいです」(同)