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また、毎年5月の第一日曜日に開催され、今年で37回目を迎えた自転車イベント「ファイブボロ・バイクツアー」は、毎年3万人以上が参加するが、近年は爆発的に参加希望者が急増したため、やむなく抽選制に変更されたほどだ。同イベントはレースではなく、ツアーであることもポイントだ。マンハッタンのバッテリーパークから出発し、ブルックリンブリッジや摩天楼、イーストリバーなどを鑑賞しながら、市内5区(ファイブボロ)を自分のペースで走るというもの。イベント盛況の要因は、主催者のNPO法人「Bike New York」が安全な乗り方やサイクリングの楽しみ方の講習会を地道に行ってきたことが大きいようだ。
このように海外事例と比較すると、思いつきレベルでイベントを開催したり、サイクリングロードを用意するだけでは、利用者や観光客の急増が見込めるわけではないことがわかる。ハード面の充実に加え、国や自治体、企業、NPOというセクターを超えた連携や、草の根レベルの啓蒙活動があってこそ、真の「自転車の町」として育っていくのだろう。移動手段として自転車が日常生活に溶け込み、持続的かつ安全に活用されるようになるには、体系的で地道な取り組みが必要となりそうだ。
(文=千葉優子/ライター)
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