ポジティブ視点の考察で企業活動を応援、企業とともに歩む「共創型メディア」/Business Journal
安部徹也「MBA的ビジネス実践塾」第15回
不振イオン、打開策・規模拡大戦略の成算は?スーパー業界、「価格重視」からの転換点か
そして、企業がこの顧客の心の変化に対応できなければ、どんなに巨大な企業でも生き残ることさえ難しくなることは、ダイエーの栄枯盛衰が如実に物語っています。
かつて生物学者のダーウィンは生物の進化を研究する課程で、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」という結論に達しました。
この原理をビジネスに当てはめれば、イオンが今後復活できるかどうかは、強大になることでもスマートになることでもなく、唯一顧客の変化に対応できるかどうかにかかっているのです。
組織は巨大化すればするほど小回りが利かなくなります。冒頭に紹介した岡田社長の「競争激化に対して現場の反応が遅かったり、対応を実現するだけの能力が本部に不足していた」という言葉が、イオンの現状を物語っています。一方で顧客はかつてないほど急激に変化し、イオンにその対応を求めているのです。果たしてイオンは下期、顧客の期待と本部や現場レベルでの対応のギャップを埋められるかどうか――。イオンは大きな岐路を迎えているといっても過言ではないでしょう。
(文=安部徹也/MBA Solution代表取締役CEO)
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