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尖閣諸島問題が直撃。日中関係の悪化で業績に不透明感増す

尖閣問題でキャンセル相次ぎ…JAL株が急落でどうなる?

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post_746.jpgやっとこさ再上場したのに……。(「足成」より)
 日本航空(JAL)の株価は9月21日、再上場3日目で売り出し価格の3790円を割り込んだ。JALは尖閣諸島の国有化をめぐる問題で、反日デモが激化している中国便で予約のキャンセルが出たため減便すると発表。中国路線の減便が伝わり、業績の下押し懸念から個人投資家の見切り売りが膨らんだ。

 JALの株価は、一時前日比5.6%安の3630円まで売られた。終値は同165円(4.3%)安の3680円。売買代金は326億円と東証1部銘柄で第1位だった。

 同社は、10月10日から27日まで、成田や関西発着の中国路線を1日あたり3往復減便する。減便対象となるのは成田-北京、成田-上海、関西-上海の合計3便で、各便とも1日あたり1往復減らす。日中関係悪化に伴う減便措置は初めてだ。

 一方、ANAは10月中旬から下旬にかけて、成田、羽田、関西と北京を結ぶ路線の機材を小型に変更し、需要減に対応する。

 JALによると、9~11月分の予約キャンセルは、を中心に1万2000席に上っている。内訳は日本発中国行きが5500席、中国発日本行きが6500席という。

 9月19日、JALは東証1部に上場した。会社更生法を申請し上場廃止になってから2年7カ月という異例のスピードで復帰した。初値は売り出し価格(3790円)を20円上回る3810円。その後は3905円まで買われる場面もあったが、3800円台で推移した。

 売り出し株数1億7500万株に対して、初日の出来高(取引量)は4000万株強。売買代金は1550億円で東証1部上場企業全体の売買代金の11%を占め、19日はJAL一色だった。

 時価総額は約6900億円。世界の航空大手の中でも、シンガポール航空(7900億円)に次ぐという屈指の規模。。ライバルの全日本空輸(ANA)は6400億円だ。

 世界中で見ても、160億ドル(1兆2700億円)超を調達した米フェイスブックに次ぐ、今年2番目の大型上場となった。

 JALの再建を主導してきた官民ファンド、企業再生支援機構は保有する同社株をすべて売却。出資した公的資金(3500億円)を回収し、3000億円近い売却益を得た。

 売り出し価格3790円を市場関係者は「皆苦渋(みなくじゅう)」と読んだ。東証1部の売買代金が8000億円割れを起こしているところに、時価総額6900億円のJALが飛び込んでくるわけだ。JALの株式に投資する資金の調達のために、換金売りで値崩れを起こす銘柄が出て、「ありがた迷惑」の状況を呈したからだ。

BusinessJournal編集部

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