JALの株価は、一時前日比5.6%安の3630円まで売られた。終値は同165円(4.3%)安の3680円。売買代金は326億円と東証1部銘柄で第1位だった。
同社は、10月10日から27日まで、成田や関西発着の中国路線を1日あたり3往復減便する。減便対象となるのは成田-北京、成田-上海、関西-上海の合計3便で、各便とも1日あたり1往復減らす。日中関係悪化に伴う減便措置は初めてだ。
一方、ANAは10月中旬から下旬にかけて、成田、羽田、関西と北京を結ぶ路線の機材を小型に変更し、需要減に対応する。
JALによると、9~11月分の予約キャンセルは、を中心に1万2000席に上っている。内訳は日本発中国行きが5500席、中国発日本行きが6500席という。
9月19日、JALは東証1部に上場した。会社更生法を申請し上場廃止になってから2年7カ月という異例のスピードで復帰した。初値は売り出し価格(3790円)を20円上回る3810円。その後は3905円まで買われる場面もあったが、3800円台で推移した。
売り出し株数1億7500万株に対して、初日の出来高(取引量)は4000万株強。売買代金は1550億円で東証1部上場企業全体の売買代金の11%を占め、19日はJAL一色だった。
時価総額は約6900億円。世界の航空大手の中でも、シンガポール航空(7900億円)に次ぐという屈指の規模。。ライバルの全日本空輸(ANA)は6400億円だ。
世界中で見ても、160億ドル(1兆2700億円)超を調達した米フェイスブックに次ぐ、今年2番目の大型上場となった。
JALの再建を主導してきた官民ファンド、企業再生支援機構は保有する同社株をすべて売却。出資した公的資金(3500億円)を回収し、3000億円近い売却益を得た。
売り出し価格3790円を市場関係者は「皆苦渋(みなくじゅう)」と読んだ。東証1部の売買代金が8000億円割れを起こしているところに、時価総額6900億円のJALが飛び込んでくるわけだ。JALの株式に投資する資金の調達のために、換金売りで値崩れを起こす銘柄が出て、「ありがた迷惑」の状況を呈したからだ。