国内ビジネス系ウェブサイト1位の「東洋経済オンライン」(東洋経済新報社)が好調だ。山田俊浩氏が新編集長に就任した7月1日以降、7~10月と4カ月連続で過去最高月間PV(ページビュー:ユーザーがクリックしたページ数)を更新し、早期の月間1億PV達成を目標に掲げている。日々数多くのウェブサイトが生まれては潰れ、さらに出版社系ウェブメディアが苦戦を強いられる中、老舗出版社が手掛ける当サイトはなぜ右肩上がりの成長を続けることができるのか。
そこで今回は山田氏に、
「PV増のためにどのような改革に取り組んでいるのか?」
「『PVは気にするな』『主役は記者』という方針の真意とは?」
「クロスメディア戦略に基づくマネタライズへの取り組み」
「1億PV達成への施策」
などについて聞いた。
――山田さんが7月1日付で正式に編集長へ就任されて以降、同サイトのPVが伸びていると聞きます。
――山田さんが編集長に就任され、まず何を変えたのでしょうか。
山田 いわゆる、「ニュースもの」を増やしました。出来事の発生日から5~6日経過したニュース性の弱い記事であっても、例えばYAHOO!ニューストピックスなどに掲載されれば多くの読者に読まれます。でも、それでは「読者が本当に知りたい時に、知りたいことを伝える記事」とはいえません。そこで、なるべく、その日に発生した出来事は翌日の朝までにアップするように心がけました。朝5時に新聞の朝刊に掲載されている主要な経済ニュースのうち、重要なものは当サイトのトップページに網羅されているようにするというのが、1つの目標です。以前はコラムをメインとする情報サイトとして発展してきたのですが、ニュースサイトという性格を強くしました。
そのためには、記事のポートフォリオも変えなければなりません。1日に配信する記事の本数は従来と同じで多くても15本程度です。その中にニュース記事を多く盛り込むようにして、さらに連載も入れ替えました。