柔らかいテーマでも必然性があれば掲載しますが、東洋経済オンラインの切り口でコンテンツをつくります。例えばプロ野球であれば、結果速報を載せるのではなく、監督の去就を上司と部下の関係と比較するような記事が考えられます。芸能界を扱う記事でも、経済と絡めた形であれば独自性を出せると思っています。
●週刊誌や書籍との関係
――ここ数年、出版社が相次ぎウェブメディア事業に乗り出していますが、成功性は少ないのが現状です。そのような中で当サイトが成功している理由はなんでしょうか?
山田 成功しているという自覚はありません。しかし、オンラインの場合は個別の記事がなぜ読まれたのか、なぜ読まれなかったのかという原因を把握できるので、読まれる記事づくりに取り組むことで、1本1本の記事が底上げされたように思います。そうした知見を集積させる、という点でも、紙媒体の編集長がオンラインの編集長を兼務する体制でなく、専属体制を組んだことがよかったのではないでしょうか。
――当サイトと貴社発行の書籍は連動しているのでしょうか?
山田 書籍に関連した企画を、東洋経済オンラインで連載しています。この分野では『外食の裏側』『働かないオジサン』などのヒットシリーズがあります。書籍との連携で重要なのは、中身の一部をそのまま転載しないこと。もし、そうしてしまえば、本が売れなくなってしまいます。東洋経済オンラインの連載を読んで、その内容に興味をもった読者がすぐにアマゾンなどオンライン書店に飛び、そこで書籍を購入してもらう、という流れを考えています。
――「月間1億PV達成」を目標に設定されていますが、そのための施策を教えてください。
山田 10月15日にサイトをリニューアルしました。PCからアクセスした際の魅力を高めるためにトップページを画像が大きく掲載された明るい画面にしました。それから個別の記事にはコメント欄を付けました。そこにゆるやかながらも読者のコミュニティが形成できるといいな、と思います。
さらに、ランキング記事を定期的に載せていきます。「30歳の年収ランキング」「40歳の年収ランキング」「大学人気ランキング」などを掲載しましたが、これからも東洋経済オンライン編集部が独自の記事を数多くつくっていきます。
――ありがとうございました。
(構成=編集部)