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「食べログやらせ事件」以前から、そもそも口コミサイトは信用されていない?

“本物の”ブラック企業が口コミサイトで悪口を書かれないワケ

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 企業にとっては、昭和の時代、総会屋が発行していた情報誌に広告を出さないと、えげつない暴露記事を書かれた頃よりも恐ろしいかもしれない。総会屋雑誌と違って、ネット経由で誰でもタダでその企業の悪評にアクセスし、広められるからである。

 では、どうすればいいのか?

 時間が解決してくれることもあるが、一番良く効くのは、カネで解決することである。

 といっても、匿名でウソを書いた人物を探し出し、カネを渡して削除させるのではない。

 口コミサイトの運営者に接近してカネを渡したり、広告を出すとかおいしい仕事を発注する話をにおわせたり、運営企業を買収したりするのだ。そして、自社にとって都合の悪い部分だけを消し、事前検閲をさせるなど悪評が投稿されても今後は掲載されないようにする。他の会社がどんなことを書かれてもサイトの運用者は一切関知しないから、そのサイトの利用者の大部分には気づかれないままである。

●なぜか口コミが少ないブラック企業

 確証はなく、具体的にこのサイトがそうだとは指摘できないが、さまざまな企業に対して社員の不平不満が渦巻く口コミサイトで、その会社のワンマン経営や不祥事や労働問題がメディアでしつこく批判され続けているにもかかわらず、「こんなブラック企業は社長が死んでも直らない」といった類の悪評がほとんど見当たらず、口コミの数もなぜか少ないという場合、それは怪しい。

 ましてや、もともとブラック企業の要素がない会社の場合は、仮にカネでカタをつけた出来事があったとしても、後からでは怪しさのかけらも見つけることができない。

 今年1月に発覚した「食べログやらせ事件」では、飲食店が「ステルスマーケティング業者」にカネを払って、カカクコムの口コミサイト「食べログ」にその店の良い評判がゾロゾロ並んで点数が高くなるようにねつ造させていた。それとは評判の良い悪いが逆のパターンになるが、どちらも「レピュテーション・マネジメントのダークサイド(暗黒面)」を垣間見せてくれる。

 ネット上の良い評判も悪い評判も、それが真実でもウソ八百でも、結局はカネ次第でどうにでもなる、ということなのか。
(文=寺尾淳/フィナンシャルプランナー)

BusinessJournal編集部

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