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河村康彦「クルマ、再考」
軽自動車のXデー 5年後に消滅する もはや製品としては普通車と同じレベルである
●軽自動車の“Xデー”
そもそもは、戦後経済復興を後押しするもくろみで、当時は贅沢品にすぎなかった普通車とは一線を画す「国民のための安価で手軽な自動車」として構想されたのが軽自動車というカテゴリーだ。しかし、これらの最新モデルたちを筆頭に、昨今の軽自動車の多くが当初の目的から大きく逸脱していることは、もはや火を見るよりも明らか。そんな軽をあえて優遇する必要があるのかという疑問は、当然出てきてもおかしくはない。
こうした現状を踏まえると、早ければ5年後、遅くとも10年後には、きっと現在のような“税差別”を基本とした軽自動車のカテゴリー分けは、消滅しているはずというのが筆者の予想である。実際に軽自動車開発関係者にこの予想をぶつけると、驚くことに多くの人が賛同するのだ。実は軽自動車メーカーの間では、“Xデー”の到来はもはや不可避と認識されていると共に、すでに織り込み済みなのである。
そう、軽自動車というカテゴリーは間もなく消滅する。そしてその時こそが、日本が誇るスモールカー開発の技術を、真に世界に問うことができる時の始まりとなるに違いないのだ。
(文=河村康彦/モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員)
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