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佐々木氏のライバルだった室町氏が取締役に復帰する人事が実現したことから、当時社内では「14年の株主総会後に会長になる布石」「佐々木氏は会長になれないだけではなく、副会長の椅子からも追われることになる」と取り沙汰された。しかし、当時政府の経済財政諮問会議民間議員を務め、経団連副会長の任期を残す佐々木氏を切るわけにはいかなかったため、佐々木氏は副会長に留任した。
西田氏が描いていた構想は、自身の人脈に連なる「室町会長=田中社長体制」を敷くことだったが、その体制が現実のものとなり、西田院政のシナリオは完成した。
不適切会計がなされていたとされているのは、コミュニティ・ソリューションズ、電力システム、社会インフラシステムの3つの社内カンパニーとその関連会社だ。これらは、佐々木氏が社長になる前からのまさに“天領”だった。経営陣が6月末株主総会で「佐々木退任」というカードを切りやすくするために不適切会計を持ち出したのだとすれば、完全に公私混同である。
今回の騒動で東芝株価は急落した。同社、そして多くのグループ企業の信用失墜の責任を、誰がどのように取るのか。東芝という会社のコーポレートガバナンスが問われている。
(文=編集部)
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