「いい胸(足)してるな」
「月○○万円で愛人契約せんか?」
「金払うからやらせろや」
社長が女性社員に行うセクハラの数々。2014年4月に発売された『ブラック企業から残業代を取り戻す』(横山祐太/花伝社)では、ブラック不動産会社で横行するパワハラやセクハラをリアルに描写している。入社式後の懇親会では、こんな具合だ。
「私が驚いたのは次のことにあります。新入女性社員へのセクハラを、社長自身が行っているのです。私は社長が酔いに任せて新入女性社員のスカートの中に手を突っ込むところを見て目を疑いました。50歳をゆうに超えている社長が、父娘ほどに年の離れている女性に対してセクハラ行為を行うのです。新入女性社員の苦痛に満ちた顔は今でも頭にこびりついています。また、新入社員だけでなく、先輩女性社員達もその場に同席していたのですが、彼女らに対するボディタッチ、さらにセクハラ発言等がありました。(略)社長のこのような非常識な行動・言動をその場に居合わせていた専務以下、常務、部長、次長ら役職者は誰も止めませんでした。この時点でこの会社は、独裁者の実質的なパワハラ、セクハラを許しているブラック企業だということを実感することができました」
男性社員は飲酒を強要され、断れる雰囲気にはない。 一週間の新入社員研修では座禅、精神修行などによって「社畜」として会社のために働く「洗脳」が行われる。業務内容は医師を中心とした高所得者への不動産投資電話営業。自腹で医師名簿を買い、勧誘する“迷惑電話”をかけまくる、まさにブラック企業なのだ。
「毎日7時半から21時半まで延々と電話営業です。営業部ごとのノルマを達していないと、週に1回の休みもなく2週間連続で14時間労働を強いられることもありました。また、もし数千万円のマンションが売れたとしても、自分に入ってくる成果給はたったの5万円です」
「暴力や暴言等も日常茶飯事でした。私の部署では、専務取締役が責任者だったのですが、先輩社員や主任を立たせて、一昔前に高校の生徒指導で使用していたような竹刀で肩や腰を叩くといった行為も行われていました。ひどい時には拳でお腹を殴られていたり、尻に蹴りを入れられたりといった光景も見られました。(略)『たるんでいるからマンションが売れないんだ』という理由で、12時間立ったまま電話をし続けたこともあります」