昨年6月の闇営業騒動以降長らく謹慎中だったお笑い芸人の雨上がり決死隊・宮迫博之が、1月29日にYouTuberデビュー。その内容には賛否両論はあるものの、チャンネルの登録者数は開局からわずか10日で50万人を突破し、「さすがは売れっ子芸人」と、面目を保つ結果となった。ネットメディアに詳しいあるライターは次のように語る。
「チャンネル登録者数50万人とは、ざっくりいうと月収500万円レベル。吉本興業とは決裂状態にある以上、“カジサック”こと梶原雄太のように人気芸人をたくさんブッキングしてチャンネル登録者数を上げるという力技ができないため、宮迫さんはYouTuberになっても苦戦すると思われていました。しかし、いざ蓋を開けてみると、人気YouTuberのヒカル、レぺゼン地球、メンタリストDaiGo、そしてホリエモンとも続々とコラボ動画をつくり、ネット界の人気者たちに便乗することで、瞬く間にチャンネル登録者数を荒稼ぎしました。しかし、やってることはカジサックと同じくドーピングのようなもの。コラボ動画以外だと、くだらないトイレドッキリや裸エプロンで卵焼きを作るなど、昭和のお笑いレベルのものばかり。ネット上でも『どこが面白いんだよ』『令和時代に昭和のお笑いはいらない』などと相当ディスられてます。同業者である芸人たちからは鼻で笑われてますよ」
追い込まれていた宮迫博之
宮迫博之のこうしたYouTuberデビューに対し、ダウンタウン・松本人志は「もうちょっとおとなしくしといたほうがええんちゃう?」とアドバイスしていたことを明かしている。とすればなぜ宮迫は、兄貴分のアドバイスをも無視して今回の“デビュー”に踏み切ったのか?
「ひとつは収入面。半年以上謹慎していて収入はゼロなわけですから、まだ知名度が消えないうちにどうしても世に出る必要があった。それと、同じく謹慎中だったロンブー(ロンドンブーツ1号2号)の(田村)亮さんが、相方である(田村)淳さんのはからいもあって復帰ライブをすることになり、どうしてもそこに便乗したかった。記者会見のときもそうですが、やはりふたりは謹慎芸人のツートップなわけですから、亮さんに先を越されてしまうと後々やりづらくなる。でも、ロンブーの復帰ライブの1日前にフライング気味にYouTuberデビューしてしまうのが、なんとも宮迫さんらしいですが(笑)。
あと、宮迫さんは(明石家)さんまさんの個人事務所預かりの身。さんまさんはYouTubeをテレビの敵とみなしていますが、『収入がないからYouTuberをやるのもわかる』と自身のラジオ番組でもコメントしているように、一定の理解は示しているようです。宮迫さんは松本さんにも相当世話にはなってるはずですが、松本さんのアドバイスなんて聞いてる余裕がないほど追い込まれていたということでしょうね」(前出のライター)
宮迫博之の“テレビ至上主義”思想
とはいえ、華々しくYouTuberデビューを飾ることには成功したものの、「テレビ界への復帰までにはまだまだ茨の道が待ち構えている」と語るのは、吉本興業に詳しいある芸能記者だ。
「吉本興業の大崎(洋)会長は、さんまさんという大きな後ろ盾があるため黙認はしていますが、宮迫さんのYouTuberデビューには怒り心頭なはず。宮迫さんが謹慎処分とになった際、テレビ局やスポンサーへの対応をして彼のケツを拭いたのは吉本なわけですが、宮迫さんは吉本とは仲たがい状態のまま芸能活動を再開させた。これは、自身の会社を立ち上げて吉本とエージェント契約を結ぼうとしているロンブー亮さんとは大きく異なります。宮迫さんのテレビ界復帰は吉本を無視してはなし得ないわけで、今回の彼のYouTuberデビューは、テレビ復帰を考えればまったくの逆効果ともいえますね。
現在、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)では、たまに蛍原(徹)さんが宮迫さんの不在を嘆いてみせるというお約束があるのですが、それもさほどウケなくなってきています。宮迫さんが謹慎してから同番組では、サブMCが週替わりで入るようになり、これがうまく機能している。もはや、宮迫さん不在を嘆いている人は日に日に少なくなっていると思いますね。
また、宮迫さんのYouTubeでの発言も気になります。『YouTubeなんかやめろと仲間に言われた』『テレビに戻ってやらなあかん』など、YouTubeを下に見ているような“テレビ至上主義”感が前面に出すぎている。『戻ってやらなあかん』というのも、自分への自負というか自己陶酔感が強すぎる印象すら受けます。この3月には50歳を迎える宮迫さんはどうしても昔気質の芸人なのでYouTubeなどネットメディアへの理解度は低く、『テレビへ復帰するために仕方なくやってる』感が出すぎなんですよね。テレビ業界の人や芸人が彼の発言を見て鼻で笑ってしまうのもわかりますし、このままではネット界からも飽きられてしまうでしょう。どちらにせよ、YouTuberたちに雑にイジられる宮迫さんが痛々しすぎて、正直見てられないですね」
復帰を急ぎすぎたあまりか、YouTuberとして表面上の華々しいデビューとは裏腹に、早くも窮地に立たされた感もある宮迫博之。ゴールデンタイムのテレビのなかで華麗に場を仕切ってみせる彼の姿を再びお茶の間で見ることは、本当にできるのだろうか?
(文=藤原三星)