昨年末で吉本興業を退所し、フリーランスの芸人として活動を続けているオリエンタルラジオ・藤森慎吾(38)。情報バラエティ『王様のブランチ』(TBS系)には引き続きレギュラー出演する一方、現在オンエア中のドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)にも出演中。また、自身のYouTubeチャンネルは登録者数80万人目前という絶好調ぶりが光るため、フリー芸人としては順風満帆な気がするが……。
吉本興業の内情に詳しいある放送作家はこう語る。
「相方の中田(敦彦)さんが吉本を退所してシンガポールに移住すると決めた際、藤森さんは吉本に残留する予定でしたが、オリラジの20周年記念ライブを2025年に武道館でやることに吉本が難色を示したため、『だったら、辞めさせてもらいます』という流れになったそうです。オリラジとしてはこのままコンビ続行で、20周年に向けていろいろ仕掛けていくみたいですね。
しかし、フリー芸人として一見順調に見えるかもしれませんが、タレントとしての先行きを考えれば暗いでしょう。ドラマ『恋はDeepに』は吉本興業所属時代にキャスティングされていた仕事で、『王様のブランチ』は人気番組ではありますが東京ローカル。藤森さんのキャリアを考えれば、全国ネットのゴールデンや深夜帯でレギュラーがないのは、芸人としては低迷気味といわざるを得ません。
彼らはデビュー直後から“武勇伝”ネタが大ヒットし、“秒速で売れたコンビ”としていまだ伝説的な存在。本人たちは『吉本を円満退社した』というつもりでしょうが、彼らがコンビで活動を続ける限り、メディア側としては『吉本興業の手前、キャスティングしづらい』という状況が続くでしょうね」
新人女性マネージャーの“引き抜き”で、吉本サイドの怒りを買った
藤森のYouTubeチャンネルでは、吉本時代のマネージャーを引き抜き、自身のマネジメント業務をお願いするという模様も配信済み。「事前に吉本には許可を取ったうえで交渉した」と藤森は語っていたが……。
「あれはどう考えても感じが悪い引き抜きですよね(笑)。YouTubeにもよく登場する入社2年目の新人女性マネージャーを引き抜き、社用車としてアルファードをプレゼントするほどの入れ込みっぷりが話題に。実際、この女性マネージャーが藤森のチャンネルに出演すると、すさまじい再生数を稼ぐらしいですが……。
この業界、タレントとマネージャーが一緒に独立するという話はよくありますが、時間差で古巣から引き抜き、それをYouTubeの企画にするだなんて、吉本首脳陣にケンカを売ってるとしか僕には思えませんね。ピュアで性格がいい藤森さんは『元マネージャーも円満に独立してくれた』と思ってるみたいですが、吉本の首脳陣が怒り心頭なのは間違いありません。
今後、藤森さんはYouTuberとしての活動がメインとなってくると思いますが、現在の推定年収はYouTubeだけで1億円以上。マネージャーひとりぐらい当然雇えると思いますが、このYouTubeバブルがいつまで続くかは未知数。今回の引き抜き劇は、今後の藤森さんの活動にもネガティブな影響を与えると思いますね……」(前出の放送作家)
1265万円で600坪の土地を購入し、「サウナ村」を建設するというプロジェクト
とはいえ、とにかく現時点でYouTuberとしての藤森は絶好調。チャンネル内では、1265万円で600坪の土地を購入し、「サウナ村」を建設するというプロジェクトも進んでいる。
これに対し、ある芸能記者はこう語る。
「藤森さんのサウナ村企画はとても評判がよく、彼の有料オンラインサロンとも連動。会費は月額1000円で1000人弱の会員がいます。つまり、オンラインサロンだけでも年間1200万円の売り上げがあり、現在のサウナブームとも相まって、サウナウェアなどのプロデュースなども手掛けています。
また、YouTubeではバイクやゴルフやスニーカーなど人気コンテンツをしっかり網羅し、彼が得意とする歌ネタも大好評。相方の中田さんとリモート対談して、『登録者数100万人を達成するために何をすべきか』というコンサル企画もやっていましたが、実は実際、芸人のなかでも彼ほどYouTuberに向いている人はいないんじゃないかというぐらい、全方位的に動画のレベルが高い。宮迫さんと中田さんが立ち上げたトーク番組『WinWinWiiin』も、中田さんが海外移住してしまったということで藤森さんが代役を務めましたが、こちらもソツなくこなしてました。やはり、チャンネル登録者数400万人に迫る勢いの中田さんがブレーンとして近くにいるのは大きいですよね。
それから、芸人のYouTubeチャンネルってどうしても“芸人プライド”が前面に出てしまい、笑いへのこだわりが強くなってしまいがちなのですが、藤森さんにはそれが一切ない。だから、芸人好きにとどまらないマス層に届く“趣味系YouTuber”として十二分に成功している。それが彼の才能なんだと思いますね」
YouTuberとしての才能を遺憾なく発揮し続け、すでに驚異的な収入を確保しているとおぼしき藤森慎吾。今後も“芸人ぽくない”芸風でYouTubeを主戦場とし続ける限りは、古巣の吉本興業と揉める可能性も低いため、意外とこのまま、順風満帆に“荒稼ぎ”を続けていくのかもしれない。
(文=藤原三星)