リズム芸「武勇伝」の「あっちゃん、カッコいい~!」やチャラ男キャラの「きみ、カワウィ~ねぇ~~!」のフレーズでおなじみのお笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾さん。
これらのフレーズは、自分を前に押し出すのではなく、どちらも人を盛り立てる言葉であり、藤森氏の芸風、人柄を表しているように思える。「究極の八方美人」と自負する藤森さんは、何を武器にして芸能界で生き残っているのか。
それは、確固たる自分やオリジナルティ、プライドがなくても、周りを受け入れることで自分を活かすことだった。そんな「プライドレス」な生き方を紹介するのが、『PRIDELESS(プライドレス) 受け入れるが正解』(徳間書店刊)だ。
■藤森慎吾が何事にもプライドを捨てて臨む理由
藤森さんは自身を、お笑いだけでなくそのほかのことにも、何か突出した才能があるわけではないと評し、それゆえに何事にもプライドを捨てて臨むことに決めているという。
誰もがどこかしらに「自分は特別である」「唯一無二の何者かである」という思いを持っているものだが、藤森さんの場合はまず第一にそういった思いを捨ててしまう。そして、周りのすごい人に頼ったり、時流にうまく乗っかることを一番に考え、それを生存戦略にしたのだ。
ただし、人に頼るときに前提にしていることが「自分でできることは、できるかぎりしてみてから」ということ。ただ怠けている人には、誰も手を差し伸べてくれないからだ。できるかぎり自分の全力を尽くすという過程があってこそ「どうしてもあなたに頼りたいんです」という説得力が出る。
その「できるかぎり」とは、藤森氏の場合はメモ魔になることだった。チャラ男キャラを固めていくために、日々チャラ男関連のメモをできるかぎり書き溜めていたのだ。できる範囲で精一杯やりつつ、けれどそれだけではうまくいかないのであとは人に頼る。
このメモを書く際、藤森氏が決めているのは、プラスのことしか書かないということ。「褒め」や「肯定」の言葉を書き残すことで、生活全体もプラスに、自分を成長させていく。
プライドを捨てる。かつポジティブな思考に徹することで、成果を出しているのだ。
プライドレスという考え方は、「何か特別なことをしなければならない」「特別な存在でいなければならない」という気張った気持ちが楽になる思考法でもある。芯がない、プライドがない、と悩んでいる人にとって、プライドレスで活躍する藤森氏の言葉に力をもらえるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。